経済産業省
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外資系企業動向調査

今後の政策展開-平成11年7月6日公表-

 対日投資促進策については、99年4月の対日投資会議専門部会報告において、国による経済活動の基盤整備については格段に進展しつつあるとし、今後は、これらの施策を着実に進めるとともに、今後投資促進のために取り組んで行くべき課題として「地方公共団体の個性的な取り組みの促進」、「外国人の居住環境の整備」、「対日投資に関する総合的な情報提供体制の確立」を上げ、さらに7つの提言を取りまとめている。政府の対日投資会議では、99年4月、この報告書に基づいて、さらなる対日投資の促進に向けて全力で取り組むことを表明した。以下は、報告書の該当部分の要約である。

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(1)地方公共団体の個性的な取組みの促進

 新規産業と雇用機会を創出したいと考えている地域において、外資系企業の誘致は極めて有効である。地域における外資系企業誘致策は、地域の特徴に応じて地方公共団体の個性的な取り組みに基づいて自主的に行われるべきものであり、国は、地方公共団体の取組みが効果的に実を結ぶように支援していく必要がある。

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(2)外国人の居住環境の整備

 外資系企業の進出の際には、教育や医療といった外国人家族の居住環境も重要な条件であり、対日投資の促進には、生活面での基盤整備も必要となってくる。近年、大都市周辺を中心に、いわゆるインターナショナル・スクールが不足気味であり、設立・運営に関する自主的な取り組みを支援していく必要がある。また、外国人が安心して生活できるため、外国語で医療が受けられるよう、外国語の通じる医療機関に関する情報の提供や通訳サービスの充実等、外国人が医療関係情報を入手しやすくしていく必要がある。

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(3)対日投資に関する総合的な情報提供体制の確立

 外国企業は、ハードの情報よりも、地域のマーケットの性格、提携・取引先企業の見つけやすさ、研究開発の支援機能の有無、従業員の募集手続や雇用慣行といったソフトの情報を重要視しているところが多く、また、対日投資は非製造業の伸びが大きくなっており、今後、サービス業等にも目を向ける必要があることに鑑みれば、ソフトの情報提供が重要。我が国への対内投資を検討する外国企業に対して迅速に地域情報を提供する体制が不十分という指摘もあり、地域の情報提供基盤の抜本的拡充のため、国や政府関係機関は地方公共団体と連携し、インターネット等を活用して、より開かれた総合的情報提供体制を構築する必要がある。

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※さらなる対日投資促進のために、これまでの政府の施策を着実に推進することに加えて、早急に実施が必要とされた7項目の提言の概要

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(1)企業経営に関わる諸制度の整備の一層の推進

 我が国は、国際的な会計基準等に沿った企業情報開示の拡充、株式交換・移転制度の導入、倒産法制の整備をはじめとしてM&Aを一層円滑化するための諸制度の整備に取り組んでいる。また、労働者派遣事業、有料職業紹介事業等の拡充や年金のポータビリティの確保についての検討等労働移動の一層の円滑化のための措置、連結納税制度の本格的な検討等にも積極的に取り組んできているところである。これらの措置は、対日投資の促進にも資すると指摘されているものであり、その実現に努力すべき。

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(2)規制緩和等の一層の推進

 我が国は、広範な分野にわたる規制緩和に取り組んできたところであり、今後とも、平成11年3月に改定した「規制緩和推進3か年計画」の着実な実施など規制緩和・規制改革を更に推進していくとともに、規制の国際的な整合性や、いわゆる民民規制の問題についても、適切に対応すべき。

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(3)インターナショナル・スクールの設立・運営の円滑化

 外国人子女教育の充実は、外国人の生活面の環境整備の観点から、極めて重要であり、インターナショナル・スクールを設立・運営しようとする自主的な取組みを支援するための各般の措置を講じていくことも重要。このため、当面、廃校となった公立学校等の公有財産のインターナショナル・スクールへの転用や民間からの資金支援を活性化するための措置、卒業する外国人子女に対する我が国高等教育機関への進学機会について検討していくべき。

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(4)医療に関する外国人向けの情報提供の充実

 外国人が安心して生活できるよう、外国人が母国語で医療を受けられる医療機関に関する情報を容易に入手できることが重要であり、情報の提供や通訳サービスの充実等、外国人が医療関係情報を入手しやすくしていく必要がある。このため、情報提供・支援サービスの充実に加え、医療機関自らが外国人に直接情報を提供できるよう検討を進めるべきであり、国立病院・療養所等の情報について積極的な提供を行うべきである。

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(5)地域別対日投資促進協議会による国と地方公共団体との連携の促進

 地方公共団体の地域における個性的な取組みを活かすために、外資系企業誘致に関心のある地方公共団体等による「地域別対日投資促進協議会」を活用し、国、JETRO、日本開発銀行、地域振興整備公団等と連携して、対日投資促進のための対話の場とし、政府の対外ネットワークを直接的に地域と連結させる仕組みを強化する必要がある。

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(6)対日投資に関する総合的な情報提供体制の確立

 外国企業が必要とする地域情報を迅速に提供していくため、データベース化を図るとともに、日本の労働事情に関する情報も含め、国、地方公共団体、JETRO、日本開発銀行、地域振興整備公団等が所有する情報について、インターネット等を活用して対日投資情報ネットワークを構築し、情報の総合的提供体制を整備すべき。

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(7)苦情・要望等に対する迅速な対応

 OTOや地域別対日投資促進協議会等の活用により迅速な対応を図るとともに、NPO等の自主的な取組みを支援すべき。

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最終更新日:2007.10.1
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