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- 外資系企業動向調査
- 結果の概要
- 第33回調査結果(1998年度実績)?平成13年2月刊行?
- 外資系企業の進出状況(平成12年7月28日公表)
外資系企業動向調査
外資系企業の進出状況(平成12年7月28日公表)
外資系企業の我が国への進出状況
我が国への進出形態としては100%出資の新規設立が大半
我が国以外に進出先として検討した国・地域は、中国、台湾、シンガポール等
最近5年間(94年度~98年度)に日本に進出した外資系企業(回答企業数374社)に対して、どのような形態で我が国に進出したかについて尋ねたところ、「100%出資の新規設立」とした企業が最も多く全体の66.8%を占めており、次いで多かったのが「合弁企業の新規設立」とした企業(28.6%)であった。これに対して、「我が国既存企業の合併・買収」は2.4%、「我が国既存企業への資本参加」は2.1%と少なかった(第3‐(1)‐1‐1、2図)。。
日本への事業展開を検討した際に同時に進出先として検討した国・地域としては、「中国」が14.7%と最も多く、次いで「台湾」(13.3%)、「シンガポール」(12.0%)、「香港」(10.7%)、「韓国」(8.0%)の順になっており、アジアの国々との競合関係が見られる(第3‐(1)‐1‐3図)。
外資系企業の地域への進出状況
工場、研究所、支店・営業所の立地地域及び増設検討地域は関東地域が中心
工場、研究所、支店・営業所とも立地地域は関東地域が過半を占めており、特に研究所については72.1%を占めている。また増設検討地域についても関東地域が多数を占めているが、支店・営業所については近畿地域(33.9%)を検討するところも多かった。これを本社所在地と比較すると、本社の82.7%が関東に立地しているのに対し、工場、研究所、支店・営業所の立地、増設地点の関東の割合はいずれもこれを下回っており、これらについては地方への進出の可能性が本社に比べ大きいことがうかがえる(第3‐(1)‐2‐1~3、第3‐(1)‐2‐7~9 図)。
立地・増設地域の決定に際して重視した要件について尋ねたところ、工場については「希望する敷地面積、建物面積が確保できる」、「用地価格、不動産賃貸費、建設費、賃金等の事業コストが安い」、「賃貸の工場、オフィスがある」と回答した企業が多く、研究所については「希望する敷地面積、建物面積が確保できる」、「賃貸の工場、オフィスがある」、「優秀な人材確保の容易さ」、「交通の利便性」が多くなっている。また支店・営業所については「市場としての魅力」、「交通の利便性」、「優秀な人材確保の容易さ」が高くなっている(第3‐(1)‐2‐4~6、第3‐(1)‐2‐10~12 図)。
立地地域の検討に際しての情報収集に何を利用したかを尋ねたところ、「日本側の出資企業」(37.7%)、「販売先、仕入先」(34.6%)など民間からの情報収集の割合が高くなっている。一方、「政府関連団体」(4.2%)、「政府、自治体等の出版物、パンフレット」(5.2%)など公的機関からの情報収集は少ないが、その中にあって「地方自治体」は11.1%と比較的高くなっている(第3‐(1)‐2‐13図)。
国内に生産拠点を有している企業に工場等の立地に至る経緯について尋ねたところ、「当初から自社工場」を設置したケースが33.5%と最も多かった。次いで、「当初から賃貸工場」で事業を行っているケースが19.3%、「営業拠点を築いてから自社工場」の設置に取り組んだケースが18.6%となっている。段階に差はあるものの現在又は過去に賃貸工場を活用した企業は全体の43.1%に達している(第3‐(1)‐2‐14 図)。
企業の将来計画
企業の将来計画では、現状維持が減少し、事業の拡大・多角化が増加
99年秋の調査時点での企業の将来計画について尋ねたところ、「事業の拡大を図る」(60.9%)及び「多角化を図る」(5.7%)とした企業の合計は66.6%で、98年秋の調査時点の41.0%に比べ大幅増となった。これは我が国経済の緩やかな改善を反映し、97年度(合計45.9%)、98年度(同41.0%)に縮小された事業拡大・多角化計画がそれ以前の水準(94年度同77.0%、95年度同73.8%、96年度同81.0%)に戻りつつあると見ることができる(第3‐(1)‐2‐15、16図)。
これを参入時期別にみると、89年度以前に参入した企業では「事業の拡大」と「多角化」の合計が59.5%、「現状維持」が31.9%、「事業の再編・縮小」と「撤退」の合計が8.7%となっているのに対し、90年度以降に参入した企業では「事業の拡大」と「多角化」の合計が75.7%、「現状維持」が19.9%、「事業の再編・縮小」と「撤退」の合計が4..4%となっており、参入時期の新しい企業がより積極的な事業展開を考えていることがうかがえる(第3‐(1)‐2‐17図)。