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工業統計調査
2.工業用水
平成9年の従業者30人以上の製造事業所における工業用水の1日当たり用水量(以下、用水量という)は、製造業計で 1億9506万(前年比 2.5%増)であった。このうち、淡水は 1億5212万
(同 2.1%増、構成比78.0%)、海水は4294万
(同 3.6%増、同22.0%)となっている(第5表)。
1.工業用水の使用状況(用水量合計)
1) 工業用水の用水量は、 1億9506万前年比 2.5%の増加となった(第6表)。
産業別にみると、化学工業(6740万、構成比34.6%)、鉄鋼業(5471万
、同28.0%)の上位2産業で全体の約60%を占め、次いで石油製品・石炭製品製造業(1625万
、同 8.3%)、パルプ・紙・紙加工品製造業(1557万
、同8.0%)、輸送用機械器具製造業(1066万
、同 5.5%)の上位5産業で全体の約84%と用水使用量が多いのは特定の産業に集中している(第6表、第8図)。
工業用水のうち、淡水では、化学工業(5155万同33.9%)、鉄鋼業(3893万
、同25.6%)、パルプ・紙・紙加工品製造業(1553万
、同10.2%)の上位3産業で約70%を占めている。海水では、化学工業(1584万
、同36.9%)、鉄鋼業(1578万
、同36.7%)、石油製品・石炭製品製造業( 748万
、同17.4%)の上位3産業で約90%の割合を占めている(第6表、第8図)。
第8図 産業別用水使用量の構成比
(従業者30人以上の事業所)
2) 工業用水の使用量の多い上位5産業について前年比をみると、化学工業は前年比2.9%の増加、鉄鋼業は同3.5%の増加、石油製品・石炭製品製造業は同 4.0%の増加、パルプ・紙・紙加工品製造業は同1.6%の増加、輸送用機械器具製造業は同2.2%の増加となっている(第6表、第9図)。
第9図 産業別用水使用量の前年比
(従業者30人以上の事業所)
3) 従業者規模別にみると、用水量は従業者1000人以上規模が8900万(構成比45.6%)と半分近くを占め、また、従業者 300人以上規模で全体の約80%を占めている(第7表)。
2.淡水の水源別・用途別、及び海水の用途別使用状況
(1) 工業用水のほぼ8割を占める淡水の用水量は 1億5212万、前年比2.1%の増加となった(第1表)。
これを産業別にみると、化学工業は、その他の有機化学工業製品製造業、メタン誘導品製造業、プラスチック製造業などの増加により前年比 3.1%の増加、鉄鋼業は、高炉による製鉄業、転炉・電気炉による製鋼・製鋼圧延業(単独転炉・単独電気炉を含む)などの増加により同1.9%の増加、輸送用機械器具製造業は、自動車製造業(二輪自動車を含む)の増加により同 1.9%の増加、石油製品・石炭製品製造業は、石油精製業の増加により同 5.5%の増加、パルプ・紙・紙加工品製造業は、洋紙・機械すき和紙製造業などの増加により同 1.9%の増加、用水使用量の多い上位5産業はいずれも増加となっている(第6表)。
(2) 淡水の水源別用水量をみると、回収水が 1億1845万(構成比77.9%)とほぼ8割を占めており、製造業全体の淡水の回収率(回収水/淡水計)は、9年は77.9%と前年(77.4%)に比べ 0.5ポイントの上昇と引き続き上昇傾向にある(第8表、第10図)。なお、1事業所当たり淡水使用量を産業別にみると、石油製品・石炭製品製造業が7万5604
と群を抜いて多く、以下、鉄鋼業(2万8734
)、化学工業(2万3191
)、パルプ・紙・紙加工品製造業(8562
)の順となっている(第8表)。
第10図 淡水の回収率の推移
(従業者30人以上の事業所)
1) 回収水の用水量( 1億1845万、前年比 2.8%増)をみると、回収水の用水量が多い産業は、化学工業(4292万
、構成比36.2%)、鉄鋼業(3517万
、同29.7%)が群を抜いて大きく、次いで、輸送用機械器具製造業( 975万
、同 8.2%)、石油製品・石炭製品製造業(789万
、同6.7%)、パルプ・紙・紙加工品製造業( 709万
、同6.0%)の順となっており、これら上位5産業で全体の9割近くを占めている(第11図)。
2) 工業用水道の用水量( 1298万、前年比 2.6%増)をみると、工業用水道の用水量が多い産業は、化学工業(444万
、構成比34.2%)、鉄鋼業(296万
、同22.8%)、パルプ・紙・紙加工品製造業(223万
、同17.2%)の順となっており、これら上位3産業で全体の7割強を占めている(第9表)。
3) 地表水・伏流水の用水量(862万、前年比▲1.9%減)をみると、地表水・伏流水の用水量が多い産業は、パルプ・紙・紙加工品製造業(472万
、構成比54.8%)、化学工業(212万
、同24.6%)が群を抜いて大きく、これら上位2産業で全体の約8割を占めている(第9表)。
4) 井戸水の用水量(925万、前年比▲1.7%減)をみると、井戸水の用水量が多い産業は、化学工業(165万
、構成比17.8%)、パルプ・紙・紙加工品製造業(138万
、同14.9%)、食料品製造業(124万
、同13.4%)、繊維工業(119万
、同12.8%)の順となっており、これら上位4産業で全体の6割近くを占めている(第9表)。
第11図 産業別淡水水源別用水量の内訳及び産業別回収水の構成比
(従業者30人以上の事業所)
1)産業別淡水水源別用水量の内訳
2)産業別回収水の構成比
(2) 淡水の用途別用水量をみると、冷却用水は、 1億 973万(前年比 2.8%増)と7割強を占めている。製品処理用水及び洗じょう用水は、2563万
(同 1.0%増)、温調用水は、 909万
(同▲ 1.4%減)、ボイラ用水は、190万
(同 1.1%増)、原料用水は、59万
(同 1.5%増)であった(第10表、第12図)。
1) 冷却用水の用水量を産業別にみると、化学工業(4664万、構成比42.5%)、鉄鋼業(3398万
、同31.0%)の2産業が群を抜いて多く、全体の約7割を占めている(第10表、第12図)。
2) 製品処理用及び洗じょう用水の用水量を産業別にみると、パルプ・紙・紙加工品製造業(1220万、構成比47.6%)、が半分近くを占め、次いで、輸送用機械器具製造業(356万
、同13.9%)、鉄鋼業(298万
、同11.6%)、化学工業(194万
、同7.6%)、食料品製造業(124万
、同4.8%)の順となっている(第10表)。
3) ボイラ用水の用水量を産業別にみると、化学工業(63万、構成比33.0%)、パルプ・紙・紙加工品製造業(31万
、同16.2%)、石油製品・石炭製品製造業(22万
、同11.8%)、食料品製造業(18万
、同9.3%)、鉄鋼業(10万
、同5.5%)の順となっている(第10表)。
第12図 産業別淡水用途別用水量の内訳及び産業別冷却用水の構成比
(従業者30人以上の事業所)
1)産業別淡水用途別用水量の内訳
2)産業別冷却用水の構成比
(2) 海水の用途別用水量をみると、冷却用水が4116万(構成比95.9%)とほとんどを占めている。製品処理用水及び洗じょう用水は、34万
、(同 3.0%)、温調用水は、4万
、(同0.1%)、原料用水は、130万
、(同3.0%)であった。
3.都道府県別の状況
都道府県別にみると、用水量が多いのは、千葉(2007万、構成比10.3%)、愛知(1802万
、同 9.2%)、山口(1599万
、同 8.2%)、兵庫(1384万
、同 7.1%)、神奈川(1328万
、同 6.8%)、岡山(1222万
、同 6.3%)、茨城(1102万
、同 5.6%)などである(第11表、第13図)。
第13図 都道府県別用水使用量の状況
(従業者30人以上の事業所)
前年比でみると、島根(前年比27.1%増)、徳島(同21.3%増)、秋田(同13.0%増)、茨城(同 10.8%増)、新潟(同7.4%増)、兵庫(同6.1%増)など28県が増加、岐阜(同▲6.8%減)、長崎(同▲6.4%減)、広島(同▲4.3% 減)、群馬(同▲3.5%減)など19県が減少となっている(第11表、第14図)。
第14図 都道府県別用水使用量の前年比
(従業者30人以上の事業所)