工業統計調査
平成10年速報
平成11年9月21日(火)
通商産業大臣官房調査統計部
平成10年工業統計調査用ポスター:大阪府の谷本秀樹さんの作品
はじめに
通商産業省では、我が国製造業の実態を明らかにすることを目的として、明治42年以来、工業統計調査を実施しております。
平成10年工業統計調査は第82回目の調査として、平成 10年12月31日に実施しました。集計結果については今後、「産業編」、「品目編」、「市町村編」、「工業地区編」、「用地・用水編」、また、2次加工 統計編として「企業統計編」を、順次公表することとしております。
この調査の実施にご協力いただいた事業所の方々、調査員、各都道府県、市区町村の方々に深く謝意を表するとともに、今後の工業統計調査の一層の充実と改善を期するために、皆様方のご意見を賜れば幸いに存じます。
1.平成10年工業統計速報(要旨)
- 出荷額、付加価値額は4年ぶりに減少 -
平成11年9月21日
大臣官房調査統計部
本速報(概況)は、平成10年12月31日現在で実施した工業統計調査結果のうち、従業者10人以上の製造事業所についてとりまとめたものである。
速報のポイント
- 概況
-
- 事業所数、従業者数ともに7年連続の減少
- 出荷額、付加価値額は、4年ぶりに減少
- 事業所数は石油製品・石炭製品を除く全産業で減少
- 従業者数は全産業で減少
- 出荷額は精密機械を除く全産業で減少
- 付加価値額は石油製品・石炭製品を除く全産業で減少
- 従業者1人当たり付加価値額は5年ぶりに減少
- 有形固定資産投資総額は4年ぶりに減少
- 都道府県別の動向
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- 事業所数、従業者数、出荷額、付加価値額は全県が減少
- 出荷額の多い県は、愛知、神奈川、大阪、東京、
- 出荷額の減少率が高い県は、大阪、富山、千葉、神奈川
主要項目の推移(平成7年=100)
(従業者10人以上の事業所)
平成10年の製造業の全事業所数は、64万事業所(対7年比▲9.2%減)、従業者数は、1038万人(同▲7.9%減)、出荷額は309兆円(同▲2.0%減)、また、付加価値額は115兆円(同▲5.7%減)。
注:平成10年調査において、事業所の捕捉を行ったため、前年比・前回比等については時系列を考慮したもので計算している。
1.我が国の工業の概要(従業者10人以上の事業所)
- 事業所数は、16万6768事業所(▲9068事業所の減)、前年比▲ 5.4%と7年連続の減少
- 従業者数は、 859万人、同▲ 4.7%と7年連続の減少
- 出荷額は、 292兆円、同▲7.2%と4年ぶりに減少
- 付加価値額は、 106兆円、同▲7.9%と出荷額同様4年ぶりに減少
2.産業別の状況(従業者10人以上の事業所)
- (1)事業所数
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- 石油・石炭製品の横ばいを除き、木材・木製品、衣服・その他の繊維製品、家具・装備品、繊維工業等、全産業が減少
- 多いのは、食料品、一般機械、電気機械、金属製品、この4産業で全体の45%
- (2)従業者数
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- 木材・木製品、衣服・その他の繊維製品、家具・装備品、なめし革・同製品・毛皮等、全産業が減少
- 多いのは、電気機械、食料品、一般機械、輸送機械、この4産業で全体の51%
- (3)出荷額
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- 精密機械を除き、木材・木製品、家具・装備品、繊維工業、衣服・その他の繊維製品、鉄鋼業、非鉄金属等、全産業が減少
- 出荷額の大きい産業は、電気機械、輸送用機械、一般機械、食料品、この4産業で全体の53%
- 1事業所当たり出荷額は、17.5億円、同▲5.4%と5年ぶりの減少
産業別出荷額の構成比(従業者10人以上の事業所)
1事業所当たり出荷額の推移(従業者10人以上の事業所)
- 精密機械を除き、木材・木製品、家具・装備品、繊維工業、衣服・その他の繊維製品、鉄鋼業、非鉄金属等、全産業が減少
- (4)付加価値額
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- 石油・石炭製品を除き、木材・木製品、家具・装備品、鉄鋼業、繊維工業、非鉄金属等、全産業が減少
- 付加価値率は、製造業平均36.2%、前年に比べ▲ 0.2ポイント低下
- 従業者1人当たり付加価値額は、製造業平均1230万円、前年比▲ 4.2%と5年ぶりの減少
従業者1人当たり付加価値額の推移(従業者10人以上の事業所)
- (5)有形固定資産投資総額(従業者30人以上の事業所)
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- 投資総額は13兆円、前年比▲1.2%と4年ぶりに減少
3.都道府県別の状況(従業者10人以上の事業所)
都道府県別、事業所数、従業者数、出荷額、付加価値額の状況
(従業者10人以上の事業所について)
事業所数、従業者数、出荷額、付加価値額は全都道府県で減少
- (1)事業所数の減少数が大きいのは、大阪、愛知、埼玉、兵庫、神奈川、福岡、千葉
- (2)従業者数の減少数が大きいのは、大阪、神奈川、愛知、埼玉、兵庫、福岡、千葉、東京
- (3)出荷額の減少率の大きいのは、大阪、富山、千葉、神奈川、香川、埼玉、滋賀、山口
- ・多い県は、愛知、神奈川、大阪、東京、静岡、この5県で全国の37%
- ・出荷額第1位の産業は、26県で電気機械
都道府県別出荷額の前年比(従業者10人以上の事業所)
- (4)付加価値額の減少率の大きいのは、滋賀、奈良、熊本、神奈川、大阪、山梨
- (5)従業者1人当たり現金給与総額は、全国平均 476万円、前年比 0.2%の増加
1人当たり給与の高い県は、東京、神奈川、愛知、大阪、滋賀、兵庫、京都
トピックス
製造業のピークである平成3年以降の出荷額の動向について、従業者規模別、また、各都道府県を北海道、東北(北部・南部)、関東(北部・南部・甲信 越)、中部(東海・北陸)、近畿(京阪神・京阪神周辺)、中国(山陽・山陰)、四国、九州(北部・南部)の地域・地区別に分割し、その特徴をみてみる。
1.従業者規模別にみた動向(平成3年=100)(従業者10人以上の事業所)
- 1.事業所数
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- 各規模とも3年をピークに低下傾向。なかでも、事業所数の7割近くを占める10~29人規模での低下が大。事業所数は3年ピークに比べ 10~29人規模で8割以下、30人以上規模ではほぼ9割の水準。
- 2.出荷額
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- すべての規模で6年を底に9年まで上昇続くが、10年は低下。100~299人規模が9年に3年ピークをわずかに上回わるも、 30~99人規模、300人以上規模は右上がりながら3年ピークには及ばず。10~29人規模での回復の動きは緩やか、10年は3年の8割以下の水準へ縮 小。
従業者規模別事業所数の推移(平成3年=100)
従業者規模別出荷額の推移(平成3年=100)
2.地域別にみた出荷額の動向(平成3年=100)(従業者10人以上の事業所)
- 1.地域別
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- 東北、九州、四国は3年ピーク上回る回復ぶり、10年には低下するも東北は引き続き3年ピーク超。残る5地域は6年底に上昇するも3年ピークに及ばず。
北海道、関東、近畿、中国は10年には自地域の底を下回る水準。
- 東北、九州、四国は3年ピーク上回る回復ぶり、10年には低下するも東北は引き続き3年ピーク超。残る5地域は6年底に上昇するも3年ピークに及ばず。
- 2.従業者規模別
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- 10~29人規模は、東北北部、中国山陰を除く地区では回復の動きはみられるものの、9年まで低水準な推移。10年は全地区大幅に低下。
- 30~99人規模は、関東甲信越、中部北陸、近畿京阪神周辺、中国山陰、九州北部は9年には3年ピーク超、九州南部は3年横ばいで推移、関東北部は7年以降3年ピーク超続く、北海道は低下傾向続く。
- 100~299人規模は、北海道、東北北部、関東北部・甲信越、近畿京阪神周辺、中国山陰、四国、九州北部が3年ピーク超の推移。北海道、東北北部・南部、関東北部中部北陸、近畿京阪神周辺、中国山陰、四国、九州北部は10年低下も3年ピーク超。
- 300人以上規模は、全地域・地区で回復傾向ながら関東北部・南部、中部東海・北陸、近畿京阪神、中国山陽は3年水準までの回復みられず。
- 各規模とも回復の動きには電子関連などの電気機械器具などが寄与。
データのダウンロード
平成10年工業統計速報データ
データは、マイクロソフトEXCEL5.0/95形式です。
圧縮ファイルは上記データの「ZIP形式」です。
注:下記ファイルについて、平成10年調査において、事業所の捕捉を行ったため、前年比・前回比等については時系列を考慮したもので計算しています。
内容 | ファイル名、ファイル容量 |
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全事業所の統計表 | kogy-all.xls (XLS/60KB) |
従業者4人以上の統計表 | kogy-04.xls (XLS/205KB) |
従業者10人以上の統計表 | kogy-10.xls (XLS/218KB) |
上記の圧縮ファイル(ZIP形式) | kogydata.zip (ZIP/125KB) |
- もしファイルが正常に開けない場合は上記「ファイル容量」をご確認願います。
10月18日は統計の日です
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統計は くらしと社会の 診断表
(平成11年工業統計調査標語)
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TEL 03(3501)1511(内線2393~2399), 03(3501)9929(直通)
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