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産業技術メールマガジン/技術のおもて側、生活のうら側 第126号
◆技術のおもて側、生活のうら側 2019年8月27日 第126号
こんにちは。ご愛読いただき、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支える産業技術を身近に感じていただければ幸いです。
今月は、特別に2週続けて、配信します。
排熱活用の救世主、IoTフレキシブル発電モジュールで市場席巻を目指す!
世界に存在する膨大な未利用低温排熱(300度以下)は、貴重な未利用資源として、その効率的活用の動きが活性化しています。このような排熱を利用する熱電発電モジュールの市場は、省エネ、IoT向けを中心に、2026年には11億USドルに拡大すると言われています。このようなニーズに新技術で応えようとしているベンチャー企業を紹介します。
【1 Eサーモジェンテックとはどのような会社でしょうか?】
Eサーモジェンテックは、京都で、コンパクトで電気変換効率が高い熱電発電モジュールを開発している会社です。
弊社は、プラント、発電所、掃除工場、データセンター、ビル、社会インフラなどの建築物だけでなく、自動車、船舶、太陽光発電などの排熱を効率よく電気エネルギーに変換でき、自立電源として利用できるコンパクトでフレキシブルな発電モジュールを開発しています。
阪大のインキュベーション施設にラボを構え、社員の8割が技術者のテックベンチャーです。2013年に基本特許が成立したことを受け、勝負できる体制が整ったということで、満を持してベンチャーを立ち上げました。
【2 技術の強みを教えてください。】
IoT用の無線センサーネットワーク構築等の急速なニーズが存在する中で、電力線などの設置が困難な場所に設置できる、1次電池に代わるIoT用の自立電源発電モジュールという強いニーズが存在しています。
さらに、熱電発電は、昔から取り組まれていましたが、なかなか低コスト化が進まず、お客様のニーズを満たすレベルの技術開発まで至っていませんでした。
このため、弊社は、薄くてフレキシブルな基板上に熱電素子を高密度実装し、半導体の量産設備を活用することにしました。特徴としては、まず、低コストで、熱回収効率も高いことが挙げられます(従来のセラミック基板型と比して2倍以上)。また、湾曲自在なので多様な熱源にカスタマイズ可能であり、お客様ごとに異なるニーズに対応できるとともに、信頼性も高い、熱電発電モジュールの生産を可能としました。
その結果、多くの企業からご要望をいただいており、企業ごとの熱源に応じたモジュールをカスタム開発しています。
現時点の技術レベルは、NEDOの認定ベンチャーキャピタルのリアルテックファンドから出資を受け、STS事業(研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援)に採択されたことで開発を加速することができ、IoT用の150度耐熱まで対応可能なモジュールが完成しています。更に、250度耐熱のモジュールの開発をしているところです。
【3 今後の展開はどのようにお考えですか。】
ニーズの高い特長あるIoT用自立電源モジュールとして、商品化を急ぎ市場を席巻したいと思っています。そのために事業をサポートすべく、周辺特許の取得、海外出願等をどんどん進めています。また、多くのお客様からの開発要望に対応するために、現在開発体制の強化を急いでいます。
今後、様々なお客様と現在進めている共同開発の実用化を着実に積み重ね、莫大な需要が期待されるこの熱電発電の分野で、世界をリードする企業に成長したいと願っています。
<取材協力>
株式会社Eサーモジェンテック 代表取締役 南部 修太郎
岡嶋 道生
株式会社Eサーモジェンテック ホームページ
http://e-thermo.co.jp
技術のおもて側、生活のうら側
発行:経済産業省産業技術環境局総務課 執筆/担当 新川元康、松本智佐子
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