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産業技術メールマガジン/技術のおもて側、生活のうら側 第127号
◆技術のおもて側、生活のうら側 2019年9月26日 第127号
こんにちは。ご愛読いただき、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支える産業技術を身近に感じていただければ幸いです。
今回のテーマは、「社会課題をイノベーションで解決する」。
この流れは、日本にとどまらず、今、世界の潮流となりつつあるのではないでしょうか。
東北で、まさに、この社会課題解決型イノベーションに取り組んでいる「社会課題解決型ベンチャー企業」がありますので、紹介いたします。
【社会課題解決型イノベーションに取り組む切っ掛け】
「社会課題解決型ベンチャー企業」の東杜シーテック(2002年設立)。
同社は、もともと「社会のまんなかでシステム開発。」を合い言葉に、社会のコアになるテクノロジーを作り出すことを理念に掲げたシステム開発などを行ってきました。
そのような中で起こった2011年の東日本大震災。この震災による地域被災ー例えば三陸の漁港における漁業の後継者不足という課題等を、地元企業として一緒に解決するためのMade in TOHOKUの最先端技術(東北大学の研究成果等)を用いた実用システムの開発・商品化に取り組み始めました。
この取り組みに大きく貢献しているのが、東北大学IIS(情報知能システム)研究センターとの産学連携だそうです。
【そもそも、東北大学IISの取り組みとは】
IIS研究センターも、‘最先端技術’と‘社会’をつなぐをキャッチフレーズに、産学連携を推進して社会に貢献するという理念を有しています。また、この理念を実現するための充実した体制(企業のニーズに柔軟に対応できる
産学官人材、電気・情報・ロボティクス等の幅広い分野(80研究室)の融合研究コーディネート機能等)を有する産学連携組織(2010年開設)です。
これからご紹介する社会課題解決型イノベーションの一つである「超音波エコー画像を用いた魚の雄雌判別・選別装置のコア技術」も、同センターによる産学連携体制構築等により分野融合(医療分野のエコー技術、AIによる 画像診断技術、システム化のためのロボティクス技術等)が結実したものだそうです。
【SmartEcho-復興を促すイノベーション実装の一例】
「SmartEcho/超音波エコー画像を用いた魚の雄雌判別・選別装置」は、「誰でも」「簡単に」「衛生的に」タラのオス・メスを判断できる世界初の装置です。三陸の漁港において、タラの雄雌を判断できるベテランの減少を
技術で補完し、また、白子を持ち高値がつくオスの確認量を増やして収益向上も可能とするものです。様々な分野の知見を融合・実装させるため、画像診断技術、実装化、どの段階でも試行錯誤を繰り返し、スマートフォン型に よる判別、判別機能をシステム化し手作業選別工程の自動化を可能とした装置としての商品化に成功しました。
現在は、さらに防水のハンディ型装置も開発し、出荷が進んできています。
【今後の展開】
まずは、分野融合をタラで実装可能化しましたが、今後は、他の高付加価値魚種や、魚以外の食品への展開なども検討中です。その実現には、SmartEcho以上に、多様な技術の融合が必要となるでしょう。
しかしながら、SmartEcho開発のために集結された産学官の優秀なメンバーの、地域の課題を解決したい、地域産業を牽引したいという気持ちや姿勢、そのために皆で協力しているオープンイノベーション力があれば、社会・ 地域課題を解決できる更なるイノベーションが実現されるような予感がしています!
<取材協力>
東杜シーテック株式会社 代表取締役 本田 光正 氏
横山 桂一郎 氏
東杜シーテック株式会社ホームページ http://www.tctec.co.jp/
技術のおもて側、生活のうら側
発行:経済産業省産業技術環境局総務課 執筆/担当 新川元康、松本智佐子
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