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産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側
こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じていただければ幸いです。
◆自分の眠りを知る
運動・食事・睡眠は健康の3本柱と言われているが、睡眠はいつも
3番目で、何かやるためにまず削られるのも決まって睡眠である。
睡眠時間は、年々減少傾向にあり、日本人の睡眠時間は、OECD
諸国の中で、2番目に少ないという調査結果も出ているほど。
近年、夜更かしや生活習慣の乱れによる睡眠不足、ストレス等によ
る不眠などの悩みを持つ人が増えている中、今回話をうかがったオ
ムロン ヘルスケア株式会社は、電波センサーを用いた非接触・非
拘束で眠りの状態を測る睡眠計を世界で初めて開発、発売した。
これは睡眠計をベッドサイドに置いて、就寝時にボタンを押すと、
電波センサーにより 1.5m以内の人の動きから、眠っている状
態、目覚めている状態を判定するもの。この電波センサーの技術は
元々海外で開発されたもので、震災時にがれきに埋まった人を探す
レーダーにも既に応用されている。
この睡眠計の最大の特徴は、体に機器が触れずに、布団に入ったま
ま普段の眠りを電波センサーにより測定できるということ。もちろ
ん電波は微弱なため、身体への影響はない。
一般的に睡眠の測定には、医療検査用のPSG(終夜睡眠ポリグラ
フィー)といって、病院においてセンサーを体に貼りつけて胸郭の
動きや呼吸、脳波などを測るものや、腕時計型の簡易な睡眠計測装
置のようなものがあるが、開発にあたっては、睡眠に悩んでいる方
たちが、各家庭において、非接触・非拘束で普段の眠りを測ること
に一番こだわったそうだ。
夜の眠りには、日中の行動であるとか、寝る直前の行動とかが強く
影響していると言われている。特に現代社会においては、家庭の明
るい照明や、明るい夜の街などの光環境による覚醒作用によって眠
りのリズムを崩すと考えられている。さらに夏などに、入浴をシャ
ワーで済ませることにより、疲れが十分にとれていないことなども、
夜の眠りに影響があるという。
商品企画にはかなりの時間を費やしたという。技術の検討を終えた
約3年半前から製品企画が始まったが、眠りに何ら問題がない者か
らの、『眠りの数値を測ったところで、それをどう利用するのか』、
という疑問が大きな議論となり、眠りに悩みのある者も加わり、モ
ニター試験を行うことになった。
結果は見事に各人それぞれの眠りの傾向がきちんと可視化(グラフ
化)され、人によってこんなに違いがあるということが明確になっ
た。よく眠れる人は眠りがちゃんと取れていることが改めて確認で
き、また、眠りに悩みのある者もその改善のために何が必要かとい
うことが分ったので、これが一つの製品化への突破口となったとい
う。
しかし、自身の眠りが可視化されただけでは、どうしたらよく眠れ
るかといった具体策を講じることができない。そこで、専用サイト
上で眠りの傾向、課題解決方法などの情報を提供するようにした。
同社は血圧計が主力商品だが、血圧と眠りの関係は高く、特に夜間
から早朝にかけて血圧が高い人は、眠りとの関係が非常にありそう
だということで、睡眠の測定は具体的に血圧の改善にも関わってく
るとみている。
運動・食事・睡眠と、睡眠はいつも最後で、何かやるために眠りを
削るという方が中心だったが、パフォーマンスを上げるためにはじ
つは眠りはすごく重要な要素で、自分のパフォーマンスに適した眠
りをきっちりと取っていくというようなことをみんなができるよう
になってほしいとの願いが開発スタッフにあった。
血圧と同じく、睡眠を家庭で測って状態を知るということが当たり
前になってくるぐらいのところが夢かな、と力強く語っていただい
たが、同社のヘルスケアに対する情熱、商品開発力からみれば達成
可能な目標であり、遠い将来のことではないだろう。
<取材協力> オムロン ヘルスケア株式会社
商品企画統括部商品事業企画部 主査 金光陽子
学術技術部技術探索グループ 博士(工学) 堤 正和
経営統括部広報渉外部 主事 北村陽子
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発行:経済産業省産業技術環境局産業技術政策課 担当/執筆:白井、小金澤、木村
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