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産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側

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◆技術のおもて側、生活のうら側  2013228 第56号

こんにちは。ご愛読いただき、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じていただければ幸いです。

◆味の組み合わせの芸術
普段なにげなく食べている、あんの入った和菓子、ジャムが入った
洋菓子、あんパン、チーズ入りハンバーグ。どれも加工が大変そう
だが、大量生産しているものだから手作りというわけでもなさそう。
ではどのように作られているのだろうか。実は特殊な機械が使われ
ているのだった。

世界で初めてまんじゅう製造機やクロワッサン、パイを製造する機
械を開発し、食品製造機械のパイオニアとして、日本だけでなく、
世界の食品産業界の発展にも貢献し、今年で創業50年を迎えたレ
オン自動機株式会社の田代社長にお話をうかがった。

創業者で現会長の林虎彦氏は最初和菓子屋を経営していたが、一度
にかなりの個数が出る紅白まんじゅうや葬式まんじゅうを作る単純
な仕事に、優秀な職人たちが追われないよう、何とかこれらの仕事
を機械化できないものかと考えたのが始まりだという。

近所の鉄砲鍛冶屋にアイデアを持ち込んで機械を試作してもらい、
作ってみては直すを繰り返し、1963年に最初のまんじゅう製造
機を開発実用化し、今の会社を創業した。

驚くべきことには創業から4年目に本場の欧米に輸出を開始してい
る。現在、国内では多くの食品メーカーに納入されるとともに世界
112カ国に輸出が行われているが、当時は、欧米に食品機械を売
ろうとすることは、お米を主食とする我が国で外国人が炊飯器を売
ろうとするのと同じようなもので、とてもチャレンジングだったの
ではと田代社長は語った。

まんじゅう製造機は、皮とあんの原材料を棒状にしたものを2枚の
厚い回転盤の間に通す過程で加工成形するものであるが、皮が回転
盤に張り付かないようにする手間がかかるとともに加工できる材料
に限定があった。

このため、田代社長は開発担当だった1986年、カメラのシャッ
ターのようなもので切り取る加工法を考案し、新しい加工機を開発
した。この機械の大きな特徴は、一つの機械で和菓子、洋菓子、ハ
ンバーグも作れることと、人間の手では到底できない、ごまダレの
ような液状の材料を中に入れることも可能であるなど、とても応用
範囲が広いことだ。

この加工機、その応用範囲の広さから、英国ではスコッチエッグや
ピクニックエッグ、中東ではチョコレート入りクッキー、中国・東
南アジアでは月餅の製造など同社の機械が世界各地で活躍している。
海外で買った現地製造のパンやクッキーが実は同社製の機械で作ら
れたものだというのも大いにあり得るとのことだった。

田代社長が従業員にいつも言っていることは、絶えず考えて研究を
行っていればダイヤモンドを見つけられる。しかし、何も考えてい
なければそれもただの石になってしまうということ。日々研鑽を積
むことの大切さを従業員にいつも問いかけている。

機械化の難しい和菓子の手作業を機械化しただけでなく、クロワッ
サン、パイ製造機を本家本元の欧州に輸出するという大胆な挑戦を
してきた同社。これからも意外な機械を作って驚かせてくれるだろ
うと確信した。

<取材協力>
レオン自動機株式会社 代表取締役社長 田代 康憲
秘書室 武田 透、広報室 小坂 孝

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【お詫びと訂正】
1月31日配信の産業技術メールマガジン(第55号)本文中、起業の
経緯について誤解を招く記述がございました。取材先及び読者の皆様に
ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げますとともに、訂正
版をバックナンバーとして当省ホームページ(上記URL参照)で公開
させていただきます。

発行:経済産業省産業技術環境局産業技術政策課 担当/執筆:白井、小金澤、木村
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