産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側
◆技術のおもて側、生活のうら側 2009年3月26日 第10号
こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じて頂ければ幸いです。
◆電チャリで宝探し
10年ほど前、電動アシスト自転車に初めて乗ったときのこと。漕
ぐ力が小さくて済むという軽快な自転車は、坂道の途中でバッテリ
ーがきれ、普通の自転車より遙かに重い、重厚な自転車と化した。
帰路、押して歩く羽目になったが、原チャリより重かった気がする。
1993年に発売されて15年。随分と進化し、「電チャリ」の愛称で
市民権を得つつある電動アシスト自転車は、人の力と電気の力を融
合させて走るハイブリッド自転車だ。この市民権獲得には搭載され
る電池の進化が大きく寄与し、したがって、この電チャリのコア技
術は電池だ、と勝手に思っていたが、意外にも、この電チャリのコ
ア技術は、モーター制御なのだそうだ。
生活の足として一番身近なパーソナル・ビークル、小さな乗り物を
作ろう。ヘルメットをかぶることもなく、自転車のように気軽だけ
れども、より便利な、よりパワフルな乗り物を。誰が買ってくれる
のかもわからないまま、この開発は自転車からではなく、オートバ
イを、制御によって自転車に近付ける、という手法で進められた。
人がペダルを漕ぐ力に比例させてモーターを駆動させるための制御。
バッテリーを最大限有効(長距離)に使うための制御。いかにバッ
テリーを安全に制限しながら、パワフルに使うか、いかに人間感覚
を重視したなめらかなアシストを実現するか・・・。
人がペダルを踏む力と、ペダルや車輪が回っているスピードをセン
サーが検出。コンピューターを内蔵したコントローラーがバッテリ
ーの電流をどのくらいモーターに流せばいいのか、瞬時に判断。そ
して駆動。もう少し概念的に言えば、「人の力と電気の力のバラン
スを計って、瞬時に適切なアシスト力を発生させる」ということ。
だから、人の感覚に違和感を与えることなく、人の動きと一体感を
もったパワーアップが可能になるということらしい。
見た目は普通の自転車と何ら変わらないが、実はハイテク満載なの
だ。単なる移動手段としてではなく、人を助ける、人を楽しませる、
健康にさせる、というような超自転車を目指して日々進化している。
取材にご対応くださった明田氏は、晴れた休日にいつもより少し遠
出をする時間が楽しいと、本当に嬉しそうに話されました。でも、
「まだまだ完成じゃない、もっともっと人に近付けるんだ」と話さ
れる時はもっと嬉しそうで、宝物を探す少年のように感じました。
新発売する前の試作車は自分が乗りたいマウンテンバイクのような
車両ばかりだったという。なぁんだ、自分が欲しい乗り物だったの
か!
満開の桜の樹の下を電チャリで走ったら、私も宝物を見つけること
ができるだろうか。
<取材協力> ヤマハ発動機株式会社 PAS事業部開発グループ
明田久稔氏、広報部東京広報グループ 北川隆氏
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