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産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側
◆技術のおもて側、生活のうら側 2009年5月28日 第12号
こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じて頂ければ幸いです。
◆化粧品のあかるい未来
人は太陽の光を浴びることによって体内リズムがリセットされ、健
康に過ごすことができる。作物や動物も太陽の光が不可欠。太陽は
信仰の中心でもある。
わたしが子供の頃、子供は外で遊び、赤ちゃんは陽だまりで日光浴
をさせるのが常識だった。ところが、紫外線による悪影響が指摘さ
れるようになり、1998年頃の母子健康手帳からは「日光浴」が削除
されている。
紫外線による悪影響をできるだけ緩和しようと開発されたのが日焼
け止め(化粧品)だが、あの液体に表示されている記号とか数値の
意味、さらにその測定法ってどういうものなのだろう?
日焼け止めにはSPFという表示がある。これは、サン プロテク
ション ファクターの略で紫外線防御指数のこと。紫外線を浴びたと
きに皮膚が赤くなるまでの時間を、日焼け止めを塗ることによって
何倍に出来るかを表したものだ。
例えばSPF20。同じ強度の光を浴び続けていると仮定した場合、
何も塗らない場合と比べて、赤くなるまでの時間は20倍になる。数
値が大きいほど効果があるが、日本でのSPF表示の上限は「50+」
だ。夏場の太陽光のもとでわたしたちの皮膚は一般的におよそ20分
で赤くなるらしいが、正しい使い方や塗りなおしをすれば、SPF
50で十分対応できるとのこと。
また、SPFの測定法は、ある程度ばらつきが生じるものであるら
しい。これは、人の皮膚を用いることと、人の目による判定を必要
とすることによる。皮膚の感受性には個人差があり、被験者の皮膚
の赤くなり方も異なるため、均一な数値を求めることは難しい。
日本では、2006年に合意された国際SPF測定法が採用されているが、
10人以上の被験者の背中を借り、照射時間中はもちろん拘束、24時
間後の経過状態を確認する必要もあり、被験者の負担は大きい。そ
して、赤くなった度合いを確認するのは、人だ。
こうした被験者の負担をなくし、人の判定を必要としない物理的か
つ客観的な測定装置が開発された。「化粧品」の資生堂と「光技術」
の浜松ホトニクスとのコラボ製品だ。
高感度な紫外線検出器を使って、日焼け止めを塗布した皮膚代替膜
を透過する紫外線の量を測定。紫外線が連続的に照射されている中
で生ずる紫外線吸収量の変化もきちんと反映して測定できるため、
これまでの人による測定法との間に高い相関性をもちながらも、数
時間程度で測定値が得られる。
ということは、研究開発の効率もアップし、より進化した商品が早
く届けられるようになるということ。どんな嬉しい「進化」を届け
てくれるのだろうか!
しかし、縁側に放置されて十分すぎる日光浴をして育ち、夏休みの
日記に書くからと言って、海で真っ黒に日焼けしたわたしたちの過
去はどうしてくれるのか。太陽光は過去をリセットはしてくれない。
<取材協力> 株式会社資生堂 スキンケア研究開発センター 三浦由将氏、
研究管理部 土田一雄氏
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