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産業技術メールマガジン/技術のおもて側、生活のうら側 第25号
◆技術のおもて側、生活のうら側 2010年6月24日 第25号
こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じて頂ければ幸いです。
◆未来との架け橋
『ミクロの決死圏』は、医療チームを乗せた潜航艇を縮小して体内
に注入し脳の内部から治療するというSF映画だ。
今回お届けするオリンパスのカプセル内視鏡は、直径11ミリ、全長
26ミリという小さなカプセルの中にマイクロマシン技術とノウハウ
を乗せて体内に送り込まれ、医療の世界で長年暗黒大陸と言われて
いた小腸内部の画像を写し出す。
このカプセルは形状も薬のカプセルに類似しているが、その使用方
法も薬のカプセルと同様。そう、口から飲み込むだけなのだ。
その“気軽さ”は、内視鏡検査を受けたことのある方なら容易に想
像できるだろう。検査への抵抗感の低さは、病気の早期発見、早期
治療、そしてトータルとしての医療費抑制に繋がる。
本格的な“体内撮影”の歴史は、オリンパスが胃カメラの試作一号
機を開発した1950年に遡る。胃袋の中を見たいという東大研究者の
望みを叶えるべく、開発、製品化を実現。開腹手術なしで胃内部の
撮影が可能となった画期的なものだった。
カプセル内視鏡の実現は、LED、撮像素子の小型化や、携帯電話
などの通信技術といった、世の中全体の技術の進歩をベースとして、
それぞれの技術を、限られたスペースの中に、性能と安全とのバラ
ンスを調整しながら、詰め込む。
詰め込むものは技術だけではない。胃カメラ開発の時代から長年蓄
積されてきたノウハウも一緒に詰め込まれる。例えば、撮影した画
像には、生の画像そのままではなく、診断しやすいように画像処理
するためのノウハウが必要だ。
「絵作りなんですよ。テレビもメーカー毎に色合いが違うように。」
ユーザーである医師とのコミュニケーションの蓄積、あるいは経験
値に基づく勘によって、診断しやすい画像を作るためのチューニン
グがなされる。これが詰め込まれて初めて、オリンパスならではの
カラーとなる。まさかこんなハイテク機器にとって、必要不可欠な
要素が絵心だったとは驚きだ。
さらに、こうしてできあがった新しい医療機器を世の中に出すため
には、治験や薬事申請などの、いくつものハードルを乗り越えなけ
ればならない。
オリンパスでは、今回の小腸用カプセル内視鏡の製品化にとどまる
ことなく、他臓器への適応拡大を目指してさらなる技術開発を継続
中だ。
「早く世の中に出して、たくさんの人がその恩恵を受けられるよう、
医療機器の開発を通して貢献したい」
こんな開発者達の想いが、私達の日常とSF映画のような非日常の
世界を繋いでいく。
<取材協力> オリンパスメディカルシステムズ株式会社
未来内視鏡開発部 河野宏尚氏
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発行:経済産業省産業技術政策課 担当/執筆:白井、仲
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