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産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側
◆技術のおもて側、生活のうら側 2009年11月26日 第18号
こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じて頂ければ幸いです。
◆木漏れ日の硝子
部屋に差し込む日差しをよけようとカーテンを引いておいても、時
間の経過とともに日の差す角度が変わって、気がついたらさんさん
と日が当たっていた。というような経験はよくありますよね。自宅
ならともかく、大きなビルなどではこまめに開け閉めするのは大変
だ。
太陽の動きに合わせて、はたまた季節に応じて、勝手にカーテンを
開け閉めしてくれる省エネ硝子があるという。いや、正確には開け
閉めではない。
ごく簡単に言えば、夏の暑い日などには白濁状態となって日射を遮
光、日陰を提供し、寒い冬の日や曇りの日などには無色透明を維持
して日向を提供する。日射のエネルギーに応じて自動的に可変する
不思議な硝子だ。
この硝子を開発したのはアフィニティというベンチャー企業。事務
所前の通路に硝子が立て掛けてあった。なるほど、日が当たってい
るところは硝子が白く濁り日陰ができているが、日の当たっていな
いところは無色透明の硝子のままだ。
どうなっているのだろう? その仕組みはこうだ。
2枚の硝子の間に0.5ミリのすき間があり、そこに水溶性特殊高
分子、界面活性剤と塩類からなる特殊な水溶液が入っている。低温
時には均一な状態で水に溶けている特殊高分子が、温度が上がると
疎水化して凝集し、凝集すると光を散乱し、白く見えるのだ。
そして温度が下がると親水性が高まり、再び水に溶けていく。化学
反応ではなく、集まったり離れたりの物理的変化だけなので劣化も
し難く、直射日光を浴びても長期間の耐候性を満たせるように設計
している、という。
太陽の動きに合わせて自律的に変化して室内の温度上昇を緩和する
だけでなく、刻々とその表情を変化させる様は自然の移ろいが写し
だされてアートのよう、と渡辺社長は目を輝かせて話してくださっ
た。
ちなみにその省エネ効果の数値はというと、日射量を約80%カッ
トし、約3分の2の熱を遮断するという。硝子をたくさん使った大
きなビルなどで使ったらその省エネ効果は相当だろう。労力もかか
らない。
美術館などの開放部であれば、省エネ効果よりも木漏れ日模様のア
ートに心を奪われる方も多いに違いない。
<取材協力> アフィニティ株式会社 渡辺晴男代表取締役
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発行:経済産業省産業技術政策課 担当/執筆:森澤、仲
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