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産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側
◆技術のおもて側、生活のうら側 2010年1月28日 第20号
こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じて頂ければ幸いです。
◆電子ペーパーの波
電子ペーパーをご存じだろうか。次世代表示システムとして最近注
目されている新しい表示ディスプレイだが、電子ペーパーの名前か
ら想像できるように、表示内容を電気的に書き換えられ、紙に代わ
る表示媒体として期待されている。米国などでは、この電子ペーパ
ーを使った電子書籍が売れ行きを伸ばしているようだ。
なぜ今電子ペーパーが注目されているのか。その主な理由は省資源、
省エネルギー等、環境負荷を小さくしようという視点だ。液晶ディ
スプレイなどとは異なり、電子ペーパーは一度表示された画像の保
持には電力を使わない。また、これまで必要以上に印刷・廃棄され
ていた紙の量を劇的に減らすことが可能だからだ。
国内でも多くのメーカーがこの電子ペーパーの開発・商品化を進め
ているが、身近なところではスーパーの棚札(値段などが表示され
ている)などで既に活用されている。従来紙に書かれていた情報を
電子情報にすることによって、繰り返し使え、また、価格や商品名
の表示だけでなく、その商品に係る様々な情報をインプットし、レ
ジとの連動や在庫管理等、情報ネットワーク機能を持たせることも
可能になるという。
この電子棚札を国内外で展開しているのがブリヂストンだ。小平市
の同社東京工場に隣接する技術センターを訪問した。
ブリヂストンの電子ペーパーには、二枚の基盤(板)の間に、「電
子粉流体」という帯電した粒子(プラスチック系の微細粒子)が封
入されている。帯電した粒子は互いに反発し合い、基盤の中で浮遊
状態となるため、速やかな移動が可能。子供の頃にプラスチックの
下敷きで髪の毛を逆立てたのと同じ原理だ。
電子粉流体は白と黒に色づけされており、それぞれ色毎にプラス、
マイナスに帯電されている。二枚の基盤にそれぞれプラスやマイナ
スの電圧をかけると、帯電された電子粉流体が流れるように移動す
る。白い粒子が前面に移動すれば白く見え、黒い粒子が前面になれ
ば黒く見えるというものだ。
紙と同じように外光を反射して見るため、バックライトが不要で、
目に優しいのが特徴。また、表示のメモリー性が高く、書き換え時
以外には電力を消費しない。
紙の代替として多くの情報を携帯できることが最大の魅力かと思っ
ていたが、開発者の想いはもっと壮大だった。紙のように手軽に、
いつでもどこでも誰にでも使えるIT端末として電子ペーパーを活
用することで、世の中にまだない新しいシステム・仕組みを提案し
ていきたいということ。
優れた日本の技術を駆使した、多様な形態の情報提供サービス。わ
たしたちにどんな新しい生活スタイルをもたらしてくれるだろうか。
<取材協力> 株式会社ブリヂストン
新事業開発本部 田沼逸夫氏、和田宏明氏、広報部 永井洋平氏
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発行:経済産業省産業技術政策課 担当/執筆:森澤、仲
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