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産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側

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◆技術のおもて側、生活のうら側  2008年11月27日 第6号

こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。

このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じて頂ければ幸いです。

今回は、株式会社エンバイオテック・ラボラトリーズの水上代表取締
役にお話を伺いました。

◆えびの健康診断。

日本人はえび好きな人が多いようだ。もちろんわたしも。お弁当のえ
び天はきまって最後に食べる。ご存じのようにわたしたちの口に入る
えびの多くは、海外から輸入された養殖のもの。少し前まで高級食
材だったえびは、世界各地での養殖によって身近な食材になった。
その現場(海外での養殖場)で最近大活躍している、小さな日本の
製品がある。

養殖場でえびが病気(ウィルス)に感染していないか、その場で手軽
にチェックができる、手のひらサイズの検査キット。大掛かりな設備は
いらない。

えびだけに感染するこの病気(ホワイトスポットウィルス)によって、養
殖場のえびが一週間で全滅してしまうそうだ。人間には無害でもえび
にとっては天敵のような病気。早期にチェックすることによって、被害を
最小に食い止められる。

このキットは、養殖現場で誰でも簡単に使えて、20分で結果もわかる
という極めてお手軽なものだ。キットでは、イムノクロマトグラフィー法と
いう技術を使っている。舌を噛みそうな名前だが、人間の臨床検査の
世界ではとてもポピュラーな技術なのだそう。インフルエンザウィルス
やレジオネラ菌の検出などにも、広く使われている。リトマス試験紙み
たいなものと、想像してほしい。えびの一部を浸した液をスポイトで試
験紙に落とし、ウィルスがあれば反応して特定の箇所に特定の色が
現れる。

この特定の反応をおこすためには、えびのウィルスだけに特異的に
反応する物質が必要で、これをモノクローナル抗体といい、この技術
の鍵となる。

エンバイオテック・ラボラトリーズ社は、環境診断、環境修復、そして
共生を目指して設立された環境・バイオ系のベンチャー企業だ。そも
そもはPCBや環境ホルモンといった検出が難しい環境汚染物質の測
定技術に取り組み、そこで蓄積されたノウハウ・技術と、えびのモノク
ローナル抗体の開発に取り組んでいた筑波大学教授とのコラボレー
ションによってこのキットが開発された。

このキットでは「定性法」という、簡単にいえば、「あるかないか」だけを
判断する方法が使われている。しかしPCBなどの測定では「あるかない
か」だけではなく、「どれだけあるか、ないか」という「定量法」が必要と
なる。同社ではこの定量技術をいずれ健康管理、創薬の分野にも活か
そうと取り組んでいる。

自分が、健康なのか、不健康なのか、どのくらい健康なのか、どのくら
い不健康なのか、いつでもどこでも簡単に測定できる日がくるのかもし
れない。

えびも人も健康がいちばん。健康診断はお早めに・・・

<取材協力> 株式会社エンバイオテック・ラボラトリーズ 代表取締役 水上春樹氏

◇刊行◇資源高時代に対応した新成長ビジョン『新経済成長戦略2008改訂版』
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