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- 産業技術メールマガジン/技術のおもて側、生活のうら側 第24号
産業技術メールマガジン/技術のおもて側、生活のうら側 第24号
[お詫び]
メール配信版で一部間違いがありました。修正しお詫びいたします。
誤 第一段落「・・・白い湯気が・・・。そう、水蒸気だ。」
「湯気」は微小な「液体の水」で、「水蒸気」ではありません。
やかんの口により近い透明な部分は「水蒸気」ですが、それが冷や
され液化したものが「湯気」です。
◆技術のおもて側、生活のうら側 2010年5月27日 第24号
こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。
このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じて頂ければ幸いです。
◆魂を吹き込んだ箱
やかんでお湯を沸かすと白い湯気がやかんの口から出てくる。そう、
水蒸気だ。この水蒸気を使った調理器。電子レンジによく似た形だ
が、「水で焼く」ウォーターオーブンという調理器だ。
この何やら新しい調理器は、電子レンジでチンをすることにすっか
り慣れた私達に、使ってみたい気持ちと使いこなせるの? という
不安とを拮抗させる。
ここで使われる水蒸気はただの水蒸気ではない。お馴染みの白い湯
気をさらに加熱して無色透明とした「過熱水蒸気」だ。この「過熱
水蒸気」で「焼く」らしいのだが、いったいどういうことだろう。
「過熱水蒸気の持つ熱エネルギーで調理するんですよ。」教えて下
さったのは、シャープ株式会社健康・環境システム事業部の北川氏。
過熱水蒸気を庫内に充満させ、例えば20℃の肉がそこにあったと
しよう。庫内に充満した過熱水蒸気は、肉の表面にあたると水に変
わるが、過熱水蒸気が持っていた熱は、肉の中に浸透していって肉
の内部を加熱する。夏、縁側で水を撒くと涼しくなるのは、水が水
蒸気になる時に熱を奪うからだが、ちょうどその逆ということだ。
これまでの表面から焼いていくという焼き方と、まるで反対だ。ま
ず食品の内部を加熱し、表面が100℃を越えると過熱水蒸気が水
に戻ることはないので、過熱水蒸気の持つ熱で、表面を焼き始める
のだ。
この調理方法のメリットとして、「脱油効果」、「減塩効果」、
「酸化抑制による栄養素キープ」といった健康面でのメリットと、
細胞破壊抑制による美味しさの保持というメリットがあるという。
過熱水蒸気を利用したこの技術自体は決して新しいものではなく、
業務用機器も存在していたとのこと。シャープではこの技術に着目
し、家庭で日常的に使え、健康と美味しさが両立する新しい調理器
を目指したのだが、開発で苦労されたのは、意外にも、何度でどの
くらいの時間といった、メニュー毎のたくさんの調理方法、つまり
ソフトの開発だったらしい。
過熱水蒸気で焼くことができるという「箱」を作っただけではなん
の意味もなく、それが調理に結びついてはじめて調理器になるとい
うことだ。
「箱に魂を吹き込んではじめて調理器となるんです。箱を作ってる
わけでなく、みんなに繰り返し使ってもらってはじめて調理器とな
るんです。」取材に応じて下さった北川氏はこの調理器を使った新
しい調理スタイル、これまでの電子レンジの「速さ」や「便利さ」
から、「健康」と「美味しさ」を両立した新しい調理スタイルを多
くの方に提供していきたいという。
技術が私達の身近なものになるまでには、ハードの開発、さらにソ
フトの開発、そしてハードとソフトの一体的な提供・・・企業のた
ゆまない開発努力に改めて敬意を表したい。
<取材協力> シャープ株式会社
健康・環境システム事業部 北川
秀雄氏、渉外部 山口
佳子氏
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発行:経済産業省産業技術政策課 担当/執筆:白井、仲
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