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産業技術メールマガジン 技術のおもて側、生活のうら側

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◆技術のおもて側、生活のうら側  2009年10月29日 第17号

こんにちは。ご愛読頂き、心より感謝いたします。

このメルマガでは、身近な生活シーンから、社会生活に密着した産
業技術を生活者の目線で紹介していきます。私たちの暮らしを支え
る産業技術を身近に感じて頂ければ幸いです。

◆華麗な印刷工芸で豊かな生活

象嵌。あまり耳慣れないが、漆塗りの木材に、白い輝きを放つ白蝶
貝を嵌め込んだ工芸品などと言ったらご想像頂けるだろうか。

金属、木材、陶器などの表面に模様を彫り込んで凹部を作り、ここ
に貝や木材、金属などの材料を嵌め込む。なるほど、象(かたど)っ
て、嵌めるということか。

職人技が光る伝統工芸品であり、高価なものであることは容易に想
像できる。これを、新しい印刷技法の開発によって身近なものにし
ようという、ナガシマ工芸の長島社長を訪問した。

ナガシマ工芸ではこれまでも、三次曲面などの様々な形状のプラス
チック樹脂製品に、特殊な印刷技法によって木目調などを表現して
きた。三次曲面への密着感のある印刷によって、本物に近い質感を
表現。車の内装などに使われ、高級感のある空間を演出してきた。

この技術を模倣、追従するアジア諸国との競争に打ち勝ち、製品の
差別化を図ろうと、ナガシマ工芸はより技巧を凝らした印刷技法と
レーザー象嵌技術の開発に傾注する。

部分的にマスキングをしながら複数回印刷をすることによって、木
目模様の中にまた違った模様を形成。それぞれの模様の境界は精巧
なレーザー技術で切り込んであるため、一つの面に印刷がされてい
るだけとは思えない異質感を感じさせる。

さらにこの技術を応用することによって、象って嵌めるという象嵌
技術を量産技術として確立したのだ。レーザーカットにより素材に
凹部を作り、ここに違う素材を嵌め込む。まさに象嵌。

凹部に素材を嵌め込むと、通常は接着剤がはみ出してしまうが、マ
スキングとレーザー切り込みによって凹部の中にだけ接着剤を入れ
ることに成功。はみ出した接着剤を磨き取るという仕上げの工程が
必要なくなった。

一部の高級車の内装では、本物の木材を嵌め込むという本象嵌が施
されているらしい。この新たな印刷技法を使えば、本象嵌に劣らな
い高級感を安価に演出でき、木を伐採することもない、と長島社長
は胸を張る。

長島社長は海外の展示会にも積極的に参加する。「ヨーロッパでは
象嵌は一般の人にも馴染みがある。環境への配慮の点からも、必ず
この技術の時代がくる」とさらに胸を張る。

日本ではまだまだ認知度の低い象嵌だが、この新しい技術によって、
日本でもポピュラーなものになっていくのだろうか。

車の内装に限らず、家電や日用品などの身近な製品にも拡げていき
たいとのこと。工芸品のような装飾性の高い美しい製品がわたした
ちの生活を彩り、身近なものとなる。

みなさんのそれぞれの大事な時間を、豊かに演出してくれるに違い
ない。

<取材協力> ナガシマ工芸株式会社 長島洋一代表取締役

◆お知らせ:太陽光発電の新たな買取制度
11月1日から太陽光発電の新たな買取制度がスタートします!
太陽電池を使って家庭で作られた電力のうち自宅で使わないで余っ
た電力を、電力会社に売ることができるようになります。買取りに
かかった費用は、電気を利用する方全員で負担する「全員参加型」
の制度です。

詳しくは資源エネルギー庁の買取制度ポータルサイトを御覧下さい。
http://www.enecho.meti.go.jp/kaitori/

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発行:経済産業省産業技術政策課 担当/執筆:森澤、仲
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