企業グループや組織再編に係る税制の整備

変化の激しい経済環境の中、企業グループによる経営や組織再編を行う企業が増えています。
このため、企業グループや組織再編に係る税制の整備に取り組んでいます。

1.「スピンオフ」の活用に向けた取組について


(1)「スピンオフ」の活用に関する手引

令和6年5月改訂のポイント

令和6年度税制改正において、パーシャルスピンオフ税制について、事業再編計画の認定要件の見直し等の所要の措置を講じた上で、適用期限を4年間延長することとされたことに伴い、以下の内容を更新しています。

①パーシャルスピンオフ税制の解説の更新(15ページ、16ページ、Q26、Q42、Q43、参考3)
②パーシャルスピンオフの会計処理基準に伴うQ&Aの更新(Q2、Q46)
③海外で行われたパーシャルスピンオフ事例の追加(8ページ、9ページ)

 

令和5年6月改訂のポイント

令和5年度税制改正において、元親会社に一部持分を残すパーシャルスピンオフ(株式分配に限る)についても、一定の要件を満たせば再編時の譲渡損益や株主の配当に対する課税を対象外とする特例措置が創設されたことに伴い、以下の内容を更新しています。​

パーシャルスピンオフに関する税制措置の解説の追加(15ページ、16ページ、参考3)
パーシャルスピンオフ税制の創設に伴うQ&Aの追加・更新(Q24、Q26、Q27、Q39、Q40、Q42から46)
事業部門を新設分割で子会社とした後に、当該子会社をパーシャルスピンオフ(認定株式分配)する場合の取扱い(Q27)等
海外で行われたパーシャルスピンオフ事例の追加(8ページ、9ページ)
スピンオフの際の上場手続に関する「新規上場ガイドブック」(東京証券取引所)の改訂を踏まえたQ&Aの更新(Q15から18、Q23)
 
【令和5年8月30日更新】
先日公表しました『「スピンオフ」の活用に関する手引』の資料に誤りがありましたので、お詫び申し上げるとともに、以下のとおり訂正させていただきます。
<該当箇所:Q14 2段落目(P32)>
【誤】
なお、産業競争力強化法に基づく特例措置(Q3参照)を活用する場合は、国内の証券取引所への上場が予定されている必要があるため(※)、海外の証券取引所のみに上場する予定の場合は、同法の特例措置を使うことはできません
【正】
なお、産業競争力強化法に基づく会社法の特例措置(Q3参照)を活用する場合は、証券取引所(国内の金融商品取引所に類するもので外国の法令に基づき設立されたものを含む。)への上場が予定されている必要があります(※)

 

令和4年9月改訂のポイント

スピンオフを行う際に活用できる施策や実務上の論点となり得る事項を中心に、以下の内容を更新しています。

①以下の事項に関するQ&Aの追加・修正による関係法令の解釈の明確化等
・スピンオフを行う際の、会社法に基づく事業譲渡に係る総会決議の必要性(Q5)
・スピンオフされる会社の上場審査で必要となる財務書類の遡及監査の取扱い(Q18)
・スピンオフ実施と同時に新株を発行する際の、金融商品取引法に基づく届出前勧誘規制の取扱い(Q22)
・スピンオフを行う会社が、スピンオフ実施後に他法人に買収され子会社になることが見込まれている場合の税務上の取扱い(Q29)
・スピンオフを行う際の実務上の工夫(スピンオフの検討において、第三者がスピンオフされる会社の株式を保有している場合の取扱い)(Q32)
②産業競争力強化法に基づく特例措置の解説の追加(スピンオフの際に取締役等が負う欠損填補責任の立証責任の転換 等)(Q3及び参考2)
③国内で実際に行われたスピンオフ事例の追加(5ページ)

(2)事業再編計画について

産業競争力強化法では、産業競争力の強化に関する施策として産業活動における新陳代謝を促進するための措置を講じることとしており、その一環として事業再編の円滑化を図ることとしています。

事業再編計画の認定を受けた企業がスピンオフを行う場合には、会社法や税制の特例措置を活用することができます。

詳細は以下のウェブサイトをご確認ください。

 

会社法の特例

①株式分配によるスピンオフにおいて、現物配当を行うために必要となる手続(原則は株主総会特別決議)の負担の軽減
②臨時株主総会で株式分配によるスピンオフを決定する場合における、取締役等が負う欠損填補責任の立証責任の転換

税制の特例

③パーシャルスピンオフに関する課税の特例

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2.税制について

(1)組織再編成税制

組織再編成の前後で経済実態に実質的な変更がないと考えられる「適格組織再編成」の場合には、合併等の組織再編成における移転資産等の譲渡損益と、株主の株式の譲渡損益の計上を繰り延べることとされる等、整理されています。詳細については、下記の財務省ウェブサイトをご確認ください。

(2)グループ通算制度

事務負担の軽減等の観点から、グループ内において損益通算を可能する「連結納税制度」の基本的な枠組みを維持しつつ、親会社、完全子会社のそれぞれが申告・納税を行う「グループ通算制度」へと見直しを行いました。


連結納税制度改正概要
 
令和4年4月1日以後開始事業年度からグループ通算制度の適用が始まっています。

グループ通算制度の詳細については、以下の国税庁ウェブサイトをご確認ください。

(3)株式対価M&A

企業の機動的な事業再構築を促すための自社株式等を対価とするM&Aの円滑化について、会社法改正で創設された株式交付制度を用い、買収会社が自社の株式を買収対価としてM&Aを行う際の対象会社株主の株式譲渡益の課税を繰り延べる(株の売却時に課税)ことができます。実効的な制度とするため、事前認定を不要とし、現金を対価の一部に用いるものも対象とする(総額の20%まで)とともに、恒久的な制度として創設されました。
 


株式対価M&Aの意義


3.運用について


お問合せ先

経済産業政策局産業組織課
電話:03-3501-1511(内線)2621~2624
FAX:03-3501-6046

最終更新日:2024年5月27日