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“Beyond-Zero” Week 2021
我が国は、昨年10月に2050年までのカーボンニュートラルを宣言しました。その実現に向け、あらゆる施策を動員して率先して取り組むとともに、世界全体のカーボンニュートラル、更には過去のストックベースでのCO2削減(「ビヨンド・ゼロ」)に向け、革新的技術の確立と社会実装を目指し、世界の脱炭素化をリードしていきます。
気候変動問題は、世界共通の喫緊の課題であり、日本をはじめとする先進国はもちろん、新興国や途上国も含めた世界全体で取り組んでいく必要があります。一方、各国がおかれた経済的・地理的事情は様々であり、実効的な排出削減に向けた取り組みを進めていくためには、こうした多様な実態を踏まえた上で、画一的なアプローチではなく、幅広い技術やエネルギー源を活用した「トランジション」を加速化していくことが不可欠です。さらに、こうした多様な道筋によるトランジションとともに、これまでの技術の延長線上にはない革新的なイノベーションを創出し、「経済と環境の好循環」の実現により新たな成長機会につなげていくことは各国共通の課題です。このような考え方のもと、我が国は、昨年1月に「革新的環境イノベーション戦略」をまとめました。また、革新的技術の確立に加え、更なる課題は社会実装であり、経済と環境の好循環を生み出すため、本年6月に関係府省庁が連携して「グリーン成長戦略」を策定しました。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて野心的なイノベーションとその社会実装に挑戦する企業を支援するべく2兆円の基金(グリーンイノベーション基金)を創設するなど、世界をリードするとともに、国際連携にも積極的に取り組んでいます。
こうした取組の一環として、経済産業省は、昨年に引き続き、カーボンニュートラル、さらにはビヨンド・ゼロに向けたエネルギー・環境関連の国際会議を集中的に開催する「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021」を実施します。
各国閣僚や各分野をリードする世界の有識者、指導者を招き、ビヨンド・ゼロ実現に向けた個別の挑戦課題とこれらを社会実現する道筋・手法について幅広い議論を行い、「経済と環境の好循環」の実現に向けた現実的かつ具体的な道筋・絵姿を世界に対して発信します。さらに、アジアのグリーン成長等の分野横断的な議論とあわせ、我が国が世界に先駆けて取り組んでいる水素・アンモニア、カーボンリサイクル等の重点分野について、我が国の技術的知見を各国と共有していくことにより、カーボンニュートラル実現に向けたトランジションの加速化のための国際的な議論や協力をリードするプラットフォームとして世界全体のカーボンニュートラル達成に貢献していきます。

第1回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合
アジア等新興国において経済成長とカーボンニュートラルを同時実現するためには、各国の事情を考慮し、あらゆるエネルギー源・技術を活用した、多様かつ現実的なエネルギートランジションを進めていくことが必要であり、こうした考え方について参加国間で議論を深め、国際社会にも発信していく予定です。なお、本会合は、日本の主催により、今回、初めて開催するものです。

第4回水素閣僚会議
水素閣僚会議は、水素の利活用をグローバルな規模で推進し、関係各国が歩調を合わせ一層の連携を図る場として、2018年に世界で初めて日本で開催され、本年は4回目の開催となります。水素社会実現に向けた世界の気運を引き続き維持拡大するため、本会議を各国の水素社会構築に向けた取組を共有する場とし、国際連携のより一層の強化を図ります。

第3回TCFDサミット
気候変動対策を強力に推進するため、金融の重要性が一層増す中、気候変動関連の情報開示の枠組みとしてG20の要請で設立されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が目的とする気候関連財務情報の開示を企業等に義務化する動きが国際的に進んでいます。今回のTCFDサミットでは、産業界・金融界のリーダーに更なるTCFD提言の活用に向けて議論し、適切な投資判断の基盤となる開示の拡充を促します。また、トランジションに関する情報開示の在り方を含めた議論を通じ、企業が気候変動を機会として飛躍する取組を示し、国際的に、ファイナンスが企業のカーボンニュートラル実現に向けた取組を加速する流れを作り出すことを目指します。

第8回ICEF
多様なステークホルダーによる、中長期のエネルギー・環境イノベーションに関する議論を2014年から国内外へ広く発信しています。大局的な観点から議論するICEF本会議と、特定の技術分野等に関して議論する分科会で構成されており、カーボンニュートラル達成に向けた道筋を示すべく、各ステークホルダー及び技術分野における具体的なアクションについて議論を深めます。

第3回RD20
カーボンニュートラルの実現に向けたイノベーション創出に繋げるため、クリーンエネルギー技術分野におけるG20の研究機関のリーダーを集め、各国研究機関のアライアンス強化、国際的な共同研究開発の展開等について議論します。10月8日(金曜日)に開催されるリーダーズ・セッションでは、低炭素社会に向けた地球規模の連携について研究機関のリーダーによるハイレベルな議論を実施します。また、これに先立ち9月29日(水曜日)~10月1日(金曜日)に開催するテクニカルセッションでは、個別の技術テーマ(脱炭素化のセクター別アプローチ、水素の社会的受容性、エネルギー管理システム)について各国の専門家によるパネルディスカッション等を実施します。