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ADnewsletter 2024年9月号(諸外国の貿易救済措置発動状況/各国の貿易政策)

CONTENTS


1.諸外国における貿易救済措置の発動状況
2.各国の貿易政策の状況
①EUによる電気自動車への暫定的な補助金相殺関税の賦課に対し、中国が二国間協議を要請
②EUが日本産、インド産、エジプト産、ベトナム産の鉄鋼製品に対するアンチダンピング関税の調査を開始
③カナダが中国産の電気自動車及び鉄鋼・アルミニウム製品に対する追加関税等の措置を実施することを公表
3.相談窓口
4.FAQ
 
 

1.諸外国における貿易救済措置の発動状況

 2024年7月~8月の諸外国における貿易救済措置の発動状況をお伝えします。

  実施状況詳細


  アンチダンピング(AD)

2024年7月~8月は、以下の調査が開始されました。


補助金相殺関税(CVD)

2024年7月~8月は、以下の調査が開始されました。

 

2.各国の貿易政策の状況

①EUによる電気自動車への暫定的な補助金相殺関税の賦課に対し、中国が二国間協議を要請

 中国は、EUによる電気自動車への暫定的な補助金相殺関税の賦課が「補助金及び相殺措置に関する協定(SCM協定)」及び「1994年の関税及び貿易に関する一般協定(1994年GATT)」に違反するとして、WTOに二国間協議を要請しました1 2
   EUは、2024年8月に暫定的な補助金相殺関税の措置を発動しており3、中国側は当該措置と、措置発動に至った調査における手続、補助金の認定、域内産業の損害及び因果関係の認定において協定との不整合があるとして、協議を行うとしています。
 要請に従って正式に協議が開始された場合、紛争当事国は相互に満足のいく解決に向かって努力することとなっています。しかし、一定期間内(通常、協議要請を受けた日から60日以内)にこの協議によって紛争が解決できなかった場合、申立国はパネル(小委員会)に紛争を付託することができます4
  

1.https://www.wto.org/english/news_e/news24_e/ds626rfc_14aug24_e.htm
2.https://docs.wto.org/dol2fe/Pages/FE_Search/FE_S_S009-DP.aspx?
 language=E&CatalogueIdList=308348&CurrentCatalogueIdIndex=0&FullTextHash=&HasEnglishRecord=Tr

3.https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=OJ:L_202401866
4.https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/wto/funso/seido.html

②EUが日本産、インド産、エジプト産、ベトナム産の鉄鋼製品に対するアンチダンピング関税の調査を開始

 2024年8月8日、欧州委員会が日本、インド、エジプト、ベトナムからEUへ輸入される鉄鋼製品に対するアンチダンピング関税の調査開始を発表しました5
   この調査は、同年6月24日に欧州鉄鋼協会(EUROFER)より提出された申請書に基づくもので、当該申請内容に関する概要資料によると、調査対象産品に関するダンピング輸入の存在(日本:10-20%、インド:5-15%、ベトナム:5-15%、エジプト:30-40%)があること、ダンピング輸入の増加が、EUの生産者の販売の機会を奪い、販売価格の抑制がもたらされ、これにより、域内産業の利益が減少し、雇用が脅かされているとしています。

5.https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=OJ:C_202404995

③カナダが中国産の電気自動車及び鉄鋼・アルミニウム製品に対する追加税等の措置を実施することを公表

 2024年8月26日、カナダは、中国産の電気自動車及び鉄鋼・アルミニウム製品に対する追加税の賦課をはじめとする一連の措置を発表しました6。中国製の電気自動車の輸入に対しては、2024年10月1日より、100%の追加税(surtax)を課すこととしています。当該措置は、電気自動車および特定のハイブリッド乗用車、トラック、バス、配達用バンが対象とされており、現在適用されている6.1%の関税に加えて適用されるとしています7。また、中国からの鉄鋼およびアルミニウム製品の輸入に対しては、2024年10月15日より、25%の追加税を課す予定としています8
  これらの措置は、発効後1年以内に見直す予定で、必要に応じて期間を延長し、追加措置を実施する可能性があるとしています。
  カナダ政府の発表に対し、中国商務省の報道官は「カナダに対し、誤った措置を直ちに是正するよう要請する。中国企業の正当な権利と利益を擁護するため必要なすべての措置を講じる。」との談話を発表しました9。また、中国は、これらのカナダの措置が「1994年の関税及び貿易に関する一般協定(1994年GATT)」に違反するとして、WTOに二国間協議を要請しました10 11

6.https://www.canada.ca/en/department-finance/news/2024/08/canada-implementing-measures-to-protect-canadian-workers-and-key-economic-sectors-from-unfair-chinese-trade-practices.html
7. https://www.canada.ca/en/department-finance/news/2024/08/surtax-on-chinese-made-electric-vehicles.html
8.https://www.canada.ca/en/department-finance/news/2024/08/surtax-on-imports-of-steel-and-aluminum-products-from-china.html
9. https://www.mofcom.gov.cn/xwfb/xwfyrth/art/2024/art_6324b58bbf1743b9a5ddcdd756471097.html
10. https://www.wto.org/english/news_e/news24_e/ds627rfc_11sep24_e.htm
11. https://docs.wto.org/dol2fe/Pages/FE_Search/FE_S_S009-DP.aspx?language=E&CatalogueIdList=308884&CurrentCatalogueIdIndex=0&FullTextHash=&HasEnglishRecord=True&HasFrenchRecord=True&HasSpanishRecord=Truehttps://docs.wto.org/dol2fe/Pages/FE_Search/FE_S_S009-DP.aspx?language=E&CatalogueIdList=308884&CurrentCatalogueIdIndex=0&FullTextHash=&HasEnglishRecord=True&HasFrenchRecord=True&HasSpanishRecord=True

 
 

3.相談窓口

 経済産業省では、皆様からのアンチダンピング調査に関する個別相談を常時承っております。アンチダンピング措置は、海外からの不要な安値輸出を是正するためWTOルールにおいて認められた制度です。公平な国際競争環境が担保された中で、日本企業の皆様が事業活動を展開できるようにするためにも、アンチダンピングを事業戦略の一つとして捉えていただき、積極的に御活用いただきたいと考えております。
  申請に向けた検討をどのように進めればよいのか、複数の事業者による共同申請はどのようにすればよいのかなど、相談したい事項がございましたら、まずは気兼ねなく経済産業省特殊関税等調査室まで御連絡ください。
 また、「日本企業がアンチダンピング調査の調査対象となった場合」の御相談は、経済産業省国際経済紛争対策室まで御連絡ください。
 
 
<相談窓口:日本企業がアンチダンピングの申請を検討している場合>
 経済産業省 貿易経済安全保障局 貿易管理部 特殊関税等調査室 
TEL:03-3501-1511(内線3256)
E-mail:bzl-qqfcbk@meti.go.jp
 
 
<相談窓口:日本企業がアンチダンピング調査の調査対象となった場合、日弁連セミナー>
 経済産業省 通商政策局 国際経済部 国際経済紛争対策室 
TEL:03-3501-1511(内線 3056)
E-mail:bzl-wto-soudan@meti.go.jp
 

4.FAQ

 以下のURLから、アンチダンピング申請等について、皆様からよく寄せられるご質問及び回答情報をご参照いただけます。ご活用いただけますと幸いです。
  よくある質問

 

最終更新日:2024年9月27日