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GILSP告示の改正(2021年4月12日)
GILSP告示を改正しましたので、お知らせします。
最新のGILSPリスト(最終改正:令和3年4月12日経済産業省告示第93号)はこちら(PDF形式:643KB) です。
GILSPリストの概要等についてはこちらをご覧ください。
GILSP告示の改正について
GILSP告示に掲載されている遺伝子組換え微生物を産業利用二種省令に定められた拡散防止措置を執って使用する場合にあっては、拡散防止措置に係る大臣確認申請が不要となります。
このため、経済産業省では、使用者自身による管理への移行による合理的な規制運用の観点から、新たな科学的知見の蓄積と厳格な安全性確認手続きを踏まえて、毎年GILSP告示の見直しを行っております。
今回の改正の概要
(1)学名の音読表記の削除
以下について、微生物学名の音読表記を削除しました。
① 別表第一の宿主の学名
② 別表第二の挿入DNAの由来生物の学名
(2)宿主・ベクター及び挿入DNAの新規掲載
拡散防止措置の大臣確認を受けた遺伝子組換え微生物のうち、GILSPリストへの掲載希望があった宿主及びベクター並びに挿入DNAについて以下の改正を行いました。
① 別表第一「宿主及びベクター」について、宿主及びベクターを新規に9件追加。
② 別表第二「挿入DNA」については、68件をGILSP告示に追加。
①GILSP告示別表第一に以下の宿主及びベクターを追加
宿主 | ベクター |
Escherichia coli B及びその由来株* |
pDEST17 (←pBR322) pENTR/TEV/D-TOPO (←pUC) pET-23a(+) (←pBR322) pET-24d(+) (←pBR322) pETIA (←pMB1) pTRP (←pTZ19U←pUC19) |
Saccharomyces cerevisiae * | pAUR112 |
Schizosaccharomyces pombe | pSE (←pTL2M5) pSH (←pTL2M5) |
「*」は掲載済みの宿主を示します。
なお、「Schizosaccharomyces pombe」については、研究開発等含め安全に長期間利用されてきた実績があることから、株の違いを問わずに該当することになります。
②GILSP告示別表第二に以下の挿入DNAを追加
[酵素]
挿入DNA | 由来生物 |
ジアホラーゼ Diaphorase (1.6.99.-) |
Geobacillus sp. Y4.1MC1 |
dUTPase(耐熱性) dUTPase (3.6.1.23) |
SIRV-1 Sulfolobus islandicus rod-shaped virus 1 |
グリセロールキナーゼ Glycerol kinase (2.7.1.30) |
Elizabethkingia meningoseptica |
グリセロール-3-リン酸オキシダーゼ Glycerol-3-phosphate oxidase (1.1.3.21) |
Enterococcus faecium |
D-乳酸デヒドロゲナーゼ D-Lactate dehydrogenase (1.1.1.28) |
Lactobacillus fermentum |
D-乳酸デヒドロゲナーゼ(D-LDH) D-Lactate dehydrogenase (1.1.1.28) |
Lactobacillus pentosus |
D-乳酸デヒドロゲナーゼ(D-LDH) D-Lactate dehydrogenase (1.1.1.28) |
Pediococcus acidilactici |
[機能性蛋白質、ペプチド]
挿入DNA | 由来生物 |
Mamu-A1*065:01 A1*065:01 |
アカゲザル |
BF2*012:01 BF2*012:01 |
ニワトリ |
BF2*015:01 BF2*015:01 |
ニワトリ |
Bsep Bile salt export pump |
イヌ |
BSEP Bile salt export pump |
ヒト |
Bsep Bile salt export pump |
ラット |
BCRP Breast cancer resistance protein |
ヒト |
Bcrp Breast cancer resistance protein |
ラット |
キャプシドタンパク質の部分配列(118-233アミノ酸配列) Capsid protein |
豚サーコウイルス2型 Porcine circovirus 2 (PCV2) |
PCNA1(スライディングクランプ) DNA polymerase sliding clamp 1 (Proliferating cell nuclear antigen homolog 1, PCNA 1) |
Thermococcus kodakarensis |
H-2Dd H-2Dd |
マウス |
H-2Dk H-2Dk |
マウス |
H-2Kd H-2Kd |
マウス |
H-2Kk H-2Kk |
マウス |
H-2Ld H-2Ld |
マウス |
HLA-A*01:01 HLA-A*01:01 |
ヒト |
HLA-A*02:06 HLA-A*02:06 |
ヒト |
HLA-A*02:07 HLA-A*02:07 |
ヒト |
HLA-A*03:01 HLA-A*03:01 |
ヒト |
HLA-A*11:02 HLA-A*11:02 |
ヒト |
HLA-A*23:01 HLA-A*23:01 |
ヒト |
HLA-A*26:01 HLA-A*26:01 |
ヒト |
HLA-A*29:02 HLA-A*29:02 |
ヒト |
HLA-A*31:01 HLA-A*31:01 |
ヒト |
HLA-B*07:02 HLA-B*07:02 |
ヒト |
HLA-B*08:01 HLA-B*08:01 |
ヒト |
HLA-B*15:01 HLA-B*15:01 |
ヒト |
HLA-B*15:02 HLA-B*15:02 |
ヒト |
HLA-B*35:01 HLA-B*35:01 |
ヒト |
HLA-B*40:01 HLA-B*40:01 |
ヒト |
HLA-B*40:06 HLA-B*40:06 |
ヒト |
HLA-B*42:01 HLA-B*42:01 |
ヒト |
HLA-B*52:01 HLA-B*52:01 |
ヒト |
HLA-B*54:01 HLA-B*54:01 |
ヒト |
HLA-Cw*01:02 HLA-Cw*01:02 |
ヒト |
HLA-Cw*03:03 HLA-Cw*03:03 |
ヒト |
HLA-Cw*03:04 HLA-Cw*03:04 |
ヒト |
HLA-Cw*08:01 HLA-Cw*08:01 |
ヒト |
HLA-Cw*12:02 HLA-Cw*12:02 |
ヒト |
HLA-Cw*15:02 HLA-Cw*15:02 |
ヒト |
HLA-E*01:01 HLA-E*01:01 |
ヒト |
HLA-E*01:03 HLA-E*01:03 |
ヒト |
MR1 MHC class I-related protein 1 |
ヒト |
β2-ミクログロブリン (B2M) β2-Microglobulin |
ニワトリ |
Mrp1 Multidrug resistance-associated protein 1 |
イヌ |
MRP1 Multidrug resistance-associated protein 1 |
ヒト |
Mrp1 Multidrug resistance-associated protein 1 |
ラット |
Mrp2 Multidrug resistance-associated protein 2 |
イヌ |
Mrp2 Multidrug resistance-associated protein 2 |
カニクイザル |
MRP2 Multidrug resistance-associated protein 2 |
ヒト |
Mrp2 Multidrug resistance-associated protein 2 |
マウス |
Mrp2 Multidrug resistance-associated protein 2 |
ラット |
MRP3 Multidrug resistance-associated protein 3 |
ヒト |
MRP4 Multidrug resistance-associated protein 4 |
ヒト |
Mrp4 Multidrug resistance-associated protein 4 |
ラット |
MRP8 Multidrug resistance-associated protein 8 |
ヒト |
MDR1 Multiple drug resistance 1 |
ヒト |
Mdr1a Multiple drug resistance 1a |
マウス |
Mdr1b Multiple drug resistance 1b |
マウス |
p46膜タンパク質(p46)の部分配列(37-419アミノ酸配列) 46 kDa surface antigen |
Mycoplasma hyopneumoniae |
[タグ]
挿入DNA | 由来生物 |
T7-Tag T7-Tag |
T7 ファージ |
(3)GILSPリスト掲載済み宿主、ベクター及び挿入DNAの再評価
利用者の利便性の向上を図るために、以下の見直しを行いました。
①現行のGILSPリストに掲載されている宿主及び由来生物の学名の表記を最新の名称に更新(2件)。
②挿入DNAの酵素番号を最新の番号に更新(2件)。
①由来生物の学名の表記を最新の名称に更新
新 | 旧 |
Fusarium fujikuroi (Gibberella fujikuroi) | Gibberella fujikuroi |
Synechococcus elongatus PCC 7942 | Synechococcus elongatus PCC 7492 |
②挿入DNAの酵素番号を最新の番号に更新
新
|
旧 |
---|---|
ヒストン H3K9 メチルトランスフェラーゼ (dim5) Histone H3K9 methyltransferase (2.1.1.355) |
ヒストン H3K9 メチルトランスフェラーゼ (dim5) Histone H3K9 methyltransferase (2.1.1.43) |
オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ(oac) Oxaloacetate decarboxylase (4.1.1.112, 7.2.4.2) |
オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ(oac) Oxaloacetate decarboxylase (4.1.1.3) |
(4)GILSPリストの注釈の一部削除および追記
(1)学名の音読表記の削除に伴い、引用書籍を削除すべく注釈(1)を改めました。また、(2)①のとおり、株の違いを問わず使用できるものとして「Schizosaccharomyces pombe」を注釈(3)に追記しました。具体的な改正案は以下のとおりです。
新 | 旧 |
---|---|
(1) 別表第一左欄の宿主及び別表第二右欄の由来生物の表記は、慣用名、日本産菌類集覧(日本菌学会関東支部)、別表第二左欄の挿入DNAの表記は、生化学辞典第4版(東京化学同人)を基本としている。 (2)(略) (3)宿主のAspergillus oryzae、Corynebacterium glutamicum、Geobacillus stearothermophilus、Saccharomyces cerevisiae 及び Schizosaccharomyces pombeについては、安全に長期間利用されてきた実績があることから、株の違いを問わず別表第一に記載されている宿主とする。また、Bacillus subtilis Marburg 168 の由来株、Escherichia coli B の由来株及び Escherichia coli K12 の由来株については、病原性及び毒素産生性のない株に限るものとする。 |
(1) 別表第一左欄の宿主及び別表第二右欄の由来生物の表記は、慣用名、微生物学用語集英和・和英(南山堂)、日本産菌類集覧(日本菌学会関東支部)、別表第二左欄の挿入DNAの表記は、生化学辞典第4版(東京化学同人)を基本としている。 (2)(略) (3) 長期利用等によってGILSPとされている宿主のアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、ゲオバシラス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)については、株の違いを問わず別表第一に記載されている宿主とする。また、バチルス・サブティリスM168(Bacillus subtilis Marburg 168)の由来株、エシェリキア・コリB(Escherichia coli B)の由来株及びエシェリキア・コリK12(Escherichia coli K12)の由来株については、病原性及び毒素産生性のない株に限るものとする。 |
(参考)GILSP告示の掲載基準等
経済産業省GILSPリストは、過去に法第十三条第一項に基づく経済産業大臣の確認を受けた案件で使用されたGILSPに相当する遺伝子組換え微生物のうち、申請事業者がリストへの掲載を希望する場合に、専門家による以下の基準に基づく安全性精査を経た上で作成しています。
GILSP遺伝子組換え微生物リストへの掲載基準
ア 宿主・ベクター
- 国立感染症研究所病原体等安全管理規程、日本細菌学会バイオセーフティ指針及び日本細菌学会バイオセーフティ委員会が公開している病原細菌のBSLレベルのいずれにおいてもBSL1に該当し、動植物に対する病原性が知られていない細菌及び真菌を選定する。
- ウイルス、植物及び動物は追加しない。
- ヒトからの分離例があり日和見感染を起こす可能性のある生物種に関係するものは長期利用の実績を有する株のみを選定する。
- 外来遺伝子が染色体へ組み込まれている場合及び外来遺伝子をプラスミドの形で保持している宿主においては安全性が確保されているものを選定する。
- ベクターについては、伝達性や病原性が知られていないものを追加する。
イ 挿入DNA
- 動植物に対する病原性が知られていない挿入DNAを追加する。
- ヒトに対して生理活性を有することが明確な挿入DNAは除外する。
- 挿入遺伝子の名称が不明確で、遺伝子の特定が困難であるものは除外する。
最終更新日:2021年6月7日