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素形材産業ビジョン策定委員会(第2回)

開催日

2024年9月2日(月)

議事要旨

<GX、循環型経済>

  • GXについて、工業炉から発生する二酸化炭素排出量は、国内の排出量全体の13.5%に上り、排出量削減には、工業炉における水素・アンモニア燃料の使用や、電気炉への転換を進める必要があるが、製造される素形材部品の品質は大幅に変わらないため、設備投資の判断が難しく、その費用負担について、エンドユーザーや行政とも協力した対応が必要ではないかとの指摘がなされた。
  • 循環型経済を構築するためのサプライチェーンの在り方や、素材不足・高騰が進んでいる中で、海外における船舶や工作機のリサイクルの取組が進んでいる実態を踏まえた検討も重要との指摘がなされた。

<DX>

  • DXを活用した全数検査を行わない品質管理体制の構築、AI等を活用した予防保全から予知保全を目指す取組が必要との指摘がなされた。また、AIやIoTの導入が進展する中で、日本の競争優位性を維持するために、企業間での水平統合や企業内での垂直統合を進め、最適化が必要との指摘がなされた。

<サプライチェーン、標準>

  • 素形材産業ビジョンにおいては、産業横断の協調領域、エコシステムの創出をゴールとして設定し、その実現に向けて国が支援することで、将来の不確実性を下げ、素形材企業等がある程度安心してリスクを取って進むことのできる環境整備が重要との指摘がなされた。
  • また、業界内で連携して新技術の開発や規格化に取り組むとともに、規格の成立を待たず、めどがついた段階で、積極的に外部へ情報発信し、規格化の議論をリードすることも一案であるとの提案がなされた。

<稼ぐ力>

  • 素形材産業の収益性の向上には、ドイツや米国にも見られる先進的な研究開発や企業統合・連携のような取組も重要との指摘がなされた。また、素形材産業のサプライチェーンや基盤技術を維持するためには、素形材の販売先を確保することが重要であり、そのためには、業界内やサプライチェーンでの連携とともに、政策による支援が必要との指摘がなされた。また、欧米では航空宇宙など需要先の多様化が進む中で、日本の素形材産業として、どのように需要先の獲得に向けた競争力を強化していくかが重要との指摘がなされた。

<新技術、材料>

  • 付加価値向上の観点で、AM(アディティブ・マニュファクチャリング)といった先端技術への投資は必要であるが、具体的なユーザ側のニーズが見えなければ、どのような投資をすべきか分からないため、ニーズをいかに効率的に把握するかが重要であるとの指摘がなされた。産業クラスターの形成や業界の交流会の実施、協業する企業における役割分担の決定などの提案がなされた。
  • プラスチックや炭素繊維など、金属以外の材料の扱いについても、素形材産業ビジョンで示せる範囲を検討すべきではないかとの指摘がなされた。

<人材育成>

  • ドイツでは業界団体や大学が緊密に連携しており、国際的な企業発表の機会や若手人材を主役とした発表の機会も多く、フラウンホーファー研究機構や大学における企業と連携した取組が参考になるとの指摘がなされた。

開催資料

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