経済産業省
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電力貯蔵装置(蓄電池)・蓄電所を設置する場合の手引き

「電力貯蔵装置(蓄電池)」「蓄電所」における法制上の取り扱いについて

電気事業法上の取り扱いは、その設置に応じて、下記のようになっています。

①電力貯蔵装置(蓄電池)

蓄電池は電気事業法において「電力貯蔵装置」として規定されます。

発電所、変電所、需要設備等を構成する設備の一つとして電力貯蔵装置(蓄電池)を設置する場合には、発電所、変電所、需要設備等の規制の中で、附随的に規制が及んでいます(例:発電所の工事計画の中の一環で蓄電池を併せて確認、等)。

●電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号)
第1条
十九 「電力貯蔵装置」とは、電力を貯蔵する電気機械器具をいう。
<解説>電力を一時的に貯蔵し、停電時や負荷変動時等に貯蔵した電力を放出する電気機械器具を指す 用語であり、具体例としては、二次電池(蓄電池)、超電導電力貯蔵装置(SMES)、フライホイール、電気二重層キャパシタなどが該当する。


                                                    
②蓄電所
専ら電力の貯蔵を目的とする蓄電用の電気工作物を蓄電所として、電気設備に関する技術基準を定める省令に規定しております。
なお、従来の変電所との相違点として、構外(接続する電力系統)との関係においては、使用電圧や周波数を変成せずに伝送を行うものであることに注意が必要です。

●電気事業法施行令(昭和四十年政令第二百六号)
第47条第3項表第13号
(六)蓄電用の電気工作物(専ら電力の貯蔵を目的とするものとして経済産業省令で定めるものに限る。第17号(六)において同じ。)に関するもの

●電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号)
第47条の13
令第47条第3項の表第13号(六)の経済産業省令で定めるものは、蓄電所とする。

●電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号)
第1条
「蓄電所」とは、構外から伝送される電力を構内に施設した電力貯蔵装置その他の電気工作物により貯蔵し、当該伝送された電力と同一の使用電圧及び周波数でさらに構外に伝送する所(同一の構内において発電設備、変電設備又は需要設備と電気的に接続されているものを除く。)をいう。
<解説>構外から伝送される電力を構内に設置した、第十九号で定義する電力貯蔵装置に貯蔵し、必要なときに応じて、構外へ同一電圧・同一周波数で伝送する所を指す用語である。この際、必ずしも電力を受け取った系統へ返す必要はなく、別の系統に伝送してもよい。「同一の構内において発電設備、変電設備又は需要設備と電気的に接続されているものを除く。」とは、発電設備や変電設備、需要設備に併設されている電力貯蔵装置については規模に関わらず蓄電所には含まれないことをいう。あくまで系統に単独で接続されている電力貯蔵装置群(電力貯蔵装置を駆動するための、逆変換装置や保護機器を含む。)が蓄電所と定義される。


 

電気事業法上の保安規制にかかる手続きについて

①電力貯蔵装置(蓄電池)
附属先の設備(発電所、変電所、需要設備等)全体として包括します。
ただし、工事計画届出については、附属先の設備に、8万kWhの電力貯蔵装置(蓄電池)を設置又は20%以上の容量変更を行った場合にも必要となります。使用前自主検査・使用前安全管理審査については蓄電所を除き対象外です。

②蓄電所
蓄電所については、下記の表を御確認下さい。
 

出力等条件

技術基準適合・

維持義務
(法第39条)

保安規程届出
(法第42条)
主任技術者選任
(法第43条)

基礎情報届出

(法第46条)

工事計画届出
(法第48条)
使用前安全管理検査(法第51条)

使用前自己確認届出(法第51条の2)

出力1万kW以上

又は

容量8万kWh以上

不要

不要

出力1万kW未満

かつ

容量8万kWh未満

不要

不要

 

※電力貯蔵装置の保安確保については、これまで、民間規格(電力貯蔵用電池規程 JEAC5006-2014 等)
 の整備等、民間による自主的な取り組みによって保安が確保がされてきたことに鑑み、法に基づく措
 置としては、①技術基準への適合維持義務、②電気主任技術者の選任、③保安規程の作成・届出を求
 めることとする。
 一方、一定の出力又は容量以上の設備については、電力系統への影響度が特に高いことに鑑み、工事
 計画届出等を求めることとする。

電気関係報告規則に基づく事故報告について

電力貯蔵装置の事故は充放電の停止による系統影響だけでなく、大規模な火災や爆発事故となる潜在的リスクを持っていることから安全の確保等が不可欠となります。
そのため、電力貯蔵装置についても事故情報を収集した上で、事故原因の究明や再発防止対策を講じることが必要です。令和7年11月20日施行の電気関係報告規則の改正により、容量20kWh超の電力貯蔵装置を事故報告の対象としています。
なお、報告対象外とする「専ら非常用の電力貯蔵装置」とは、非常用若しくは起動用等のバックアップ電源として用いるもの又はCVCF装置など常時フローティング状態で使用されていても、目的が電源の事故停止又は瞬時電圧低下に備える機能のみを持つ電力貯蔵装置を指します。そのため、負荷平準化や受電又は発電電力の平準化等を目的として電力を一時的に貯蔵し、必要に応じて負荷に供給する機能を持つ電力貯蔵装置は報告対象となります。
 

その他関連情報

電気事業法上の取り扱いは、その設置に応じて、下記のようになっています。

1.kWとkWhの違い
電気の単位でよく使われるのがkW(キロワット)とkWh(キロワットアワー)です。
kWは、瞬間に使われる電力を表す単位、kWhはkWに時間をかけたもので電力量を表す単位となります。
詳しくは、以下「電気事業連合会」ホームページを御参照ください。

2.出力の考え方
(1)電力貯蔵装置を併設した太陽電池発電所の新設あるいは太陽電池発電所に電力貯蔵装置を追加する場合の考え方について

(2)蓄電所における容量(kWh)と出力(kW)の考え方について

お問合せ先

本省又は発電設備を設置する地域の監督部の電力安全課にお問い合わせ下さい。

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
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