[令和6年3月29日]火薬類取締法施行規則の一部を改正する省令等について(貯蔵の技術基準の見直し)
本件の概要
1.背景
火薬類取締法は、制定された昭和25年以来、技術基準等について産業実態や技術革新等に合わせた改正を逐次実施してきているものの、必ずしも十分とは言いがたい状況となっている。少量の火薬・爆発を用いた安全装置等に用いられる火工品や新規製品の開発、普及に向けた対応も求められることから、技術基準全体を仕様規定中心の体系から性能規定中心の体系へ転換させる必要がある。このため、平成26年度の産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会火薬小委員会より技術基準について性能規定化を中心とした見直しの議論が進められてきたところ。今般、これまでの議論を踏まえ、火薬類の貯蔵の技術基準の一部について改正を行う。
2.主な改正事項
(1)貯蔵の技術基準の性能規定化
具体的な仕様が定められた基準のうち、見直しの必要があるものついて性能規定化を行うとともに、これまで省令に記載されていた仕様については例示基準(内規)として記載する。これにより、例示基準に従っている場合は従来と同等の安全性を確保することが可能となり、一方で、例示基準に従わない場合であっても、事業者が自ら安全性を証明することによって、多様な手法を選択することが可能となる。
例:火薬庫外に貯蔵する場合の技術基準における扉の規定について、現行省令では、「厚さ〇・六ミリメートル以上の鉄板を使用した」等の具体的な技術基準が規定されているが、今後は具体的な基準は例示基準で示すこととし、改正省令では、その性能規定として、「盗難を防止するための措置を講ずる」旨を規定する。
(2)補強コンクリートブロックの厚さの見直し
補強コンクリートブロックについて、現行省令では厚さ「20cm」と規定しているところ、JIS規格の市販品の厚さは「19cm」となっている。現在普及している製品は強度も向上していることから、省令もJIS規格にあわせて「19cm」に改正する。
(施行規則第16条、第28条、防爆壁告示)
(3)電波を発する機器の携行の制限
電波により電気雷管が爆発する事故例(海外)が報告されていることを踏まえ、消費の技術基準の改正と同様に、火薬庫への入室時に電波を発する機器を携行することを新たに制限する。また、やむを得ず携行する場合には、火工品に対して間隔を取る等の適切な措置を講ずることを義務づける。
(施行規則第21条)
(4)実包火薬庫の夜間点灯の廃止
実包火薬庫については、外部を夜間点灯することを努力義務としていたが、夜間点灯することで火薬庫の位置が明らかになることは、防犯の観点からは望ましいとはいえず、また、他の火薬庫でも夜間点灯は行っていないことから、廃止することとする。
(施行規則第27条の4)
(5)旧字の修正等
「信号焔管」「虞のない」「洩れ出した」「あつて」等の旧字体の表現を修正。
(6)防爆壁告示の改正
施行規則第31条の3において、防爆壁の基準については告示で定めるとされているところ、省令改正にあわせた記載とするため、告示についても改正を行う。
なお、この省令は公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
- ①火薬類取締法施行規則の一部を改正する省令
- ②火薬類取締法施行規則第三十一条の三の規定に基づく防爆壁の位置、構造、材質等の基準(昭和三十五年通商産業省告示第七十六号)の一部を改正する告示
- ③「火薬類取締法施行規則の機能性基準の運用について」の一部改正について
- (参考)改正前後の施行規則及び例示基準の対応表(貯蔵)
お問合せ先
電話:03-3501-1511(内線4961)