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付注2 輸出数量関数の推計結果および要因分解の方法

(1)推計式および結果

本稿では、以下の重回帰モデルを最小二乗法で推定している(対数はすべて自然対数)

ここで各変数の意味は以下のとおり:

  X:輸出数量指数

  Y:主要輸出相手国の実質GDP

  REER:実質実効為替レート

  SUP:輸出財生産能力指数

  VAD:高付加価値化指数

  SB:海外在庫変動

  TREND:トレンド

  Q:季節ダミー(第2・3・4四半期)

 なお、海外在庫変動にはマイナスの値が含まれているため、以下の対数変換を行っている。

 推計結果は以下のとおり(推計期間:1990年第1四半期~2014年第4四半期)。

 パラメーター推定値は、第2四半期ダミーは10%有意でなかったが、その他はすべて1%有意であった。

 推定に用いた変数のうち、海外在庫変動(SB)はI(0)変数であったが、その他は全てI(1)変数であった。見せかけの回帰の可能性があるため、残差系列にADFテストを適用した結果、残差系列は定常過程にしたがう(単位根が存在しない)ことが確認されたことから、共和分関係が成立していることが分かる。

(2)要因分解について(寄与度)

 本文では推計結果を用いて、各説明変数の増加寄与率を計算している。次の重回帰モデルを考える:

と表すことができる。そして、この式は次のように書き直すことができる。

 最後の式はYの変化率=Xの変化率+Zの変化率+その他(残差)の変化率に分解できることを意味しており、

の部分は、説明変数Xの増加寄与率となっている。

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