経済産業省
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第1部 ものづくり基盤技術の現状と課題
第2章 ものづくり人材の確保と育成
第2節 人材育成に向けた取組

4.女性技能者育成の支援

(1)女性に対する製造業の魅力の発信

女性を含め広く国民一般にものづくり産業・技能の魅力を伝えるため、技能競技大会の開催等に取り組むとともに、2014年度から、公共職業訓練の受講を希望する女性を対象とした体験入学や女性訓練受講生による体験談を話してもらう機会を新たに提供しているほか、女性のものづくり分野への入職促進・定着促進のためのHP注8を設けている。

注8 
http://www.jeed.or.jp/js/kyushoku/josei_minasama.html

http://www.jeed.or.jp/js/kousotsusya/polytech_co/nyukou/poly_jo/polyjyo.html

(2)女性のものづくり分野への入職促進・定着促進

女性がものづくり分野に就職し、定着できるよう、産業デザインやITなども活用した女性向けのものづくり分野コースを開発・実施するとともに、出産等により一旦離職した女性の再就職支援として、職業訓練の受講を促進するために職業訓練受講中の託児サービスを実施する等の女性のライフステージに対応した能力開発支援に取り組んでいる。

コラム:ポリテクカレッジの女子学生の声

ポリテクカレッジ新潟 住居環境科2年  鷲尾わしお  玲稀たまき さん

ポリテクカレッジ新潟住居環境科で学ぶ女子学生にお話を伺った。

【ポリテクカレッジを選んだ理由】

元々、建築系を希望していたが、新潟県では学校が限られていた。その中で、実技が多いことと、家が近いことから選んだ。

【現在の勉強内容】

住居環境科では、建築設計や施工を中心に学んでいる。設計では、製図やCAD(Computer Aided Design)システムを用いている。加工作業では力が必要なときもあるが、加工しているときの木の香りが好きで、楽しく学んでいる。

【どのような学生生活か】

授業時間が多く、休みも少ないが、充実した日々をすごしている。また、学園祭などに同級生とともに参加して、思い出をたくさん作った。女子学生は少ないが、授業をする環境としては困ったことがない。

【将来や今後の目標】

家具に関わる仕事に就きたいと思い、就職先を決めた。入社後1、2年はショールームで、そして3年目に家具設計・加工に関わる仕事に就く予定なので、今から楽しみにしている。できれば、ずっと働き続けたいと考えている。

【高校生やこれから入学してくる学生に向けたメッセージ】

学校としては大きくはなく、学生数も少ないが、その分、アットホームな雰囲気がある。同級生との関係、先生方との関係も密になるので不安を感じることはない。

写真:住宅模型を制作している鷲尾さん

コラム:託児サービス活用で実現!~ものづくりを学びながら、就職活動~

高度ポリテクセンター(ものづくりアシスト・エンジニア科)

  平野ひらの  玲子れいこ さん、 石村いしむら  友香ゆか さん、 藤記ふじき  陽子ようこ さん

写真:左から、藤記さん・平野さん・石村さん

全国のポリテクセンターでは、子育て中の方も安心してポリテクセンターの職業訓練が受講できるよう、地域の託児施設と連携し、訓練受講中にお子さんを無料で託児施設に預けられる託児サービスを提供している。同制度を利用しながら訓練を受講中の3名にお話を伺った。

【訓練を受講したきっかけ】

前職はアパレル会社でディスプレイや販売促進の仕事をしていたが、育児休業後に保育園の空きがなく離職した。ハローワークで相談したところ、託児サービス付き訓練を提案してもらった。ものづくりに興味があったこともあり、子どもを預けながら学ぶことができるため、自身のスキルアップのために申し込んだ。(平野さん)

春から働く予定だったが、子どもが待機児童となった。マザーズハローワーク(子育て女性等に対する再就職支援を実施する専門のハローワーク)に相談したところ託児サービス付き訓練を紹介してもらい、前職ではウェデングプランナーをしていたが、手や体を動かすものづくりに興味が湧いた。職業訓練と聞くと男性ばかりでとっつきにくい印象もあったが、女性も多くいると聞き受講を決めた。(石村さん)

写真:石村さん親子

【受講して良かったところ】】

訓練を受けて、ものづくりはとても身近なものだと思った。指導員の方が専門分野を話す時の目の輝きが忘れられず、働く姿勢をマインドとして受け継ぎたいと思っている。(石村さん)

人前で話すのが苦手だったが、訓練の中では毎朝のスピーチやプレゼンの機会もあり、訓練を積むことで就職活動の役に立った。今後のキャリアにとっても良い経験となった。(藤記さん)

【託児サービスを利用した感想】

この制度がなかったら、働きたくても就職活動ができなかったと思う。子どもを見てくれる人がいないと、急な面接にも行くことができない。訓練でスキルを身に付けながら就職活動もでき、すごく良かった。ポリテクセンターという環境で、年齢層も幅広く色々な経験を持った人と一緒に勉強をすることで、学ぶことがたくさんあると思う。(藤記さん)

毎日早起きし、子どもを保育園に送って訓練に来ることで生活リズムができ、親子でこの生活に慣れることができた。ポリテクセンターで新しいスキルが身に付き、就職の選択肢が増え、クラスでは同じ子育て世代のママ、人生の先輩など様々な世代の方と交流や情報交換ができ、不安なことがあれば先生方にも気軽に相談できる環境がある。子どもは楽しそうに保育園に通っているので、安心して訓練を受けることができた。少しでも時間があり悩んでいる方がいるならぜひ受講をお勧めしたい。(平野さん)

写真:機械加工の作業風景

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写真:CAD(Computer Aided Design)の作業風景

「ものづくりアシスト・エンジニア科」

ものづくり分野の間接的業務への就職を目指し、身近な製品を題材に、製品の企画、設計、加工などものづくりの一連の流れ、各工程における技術要素の理解、着眼点のポイント等の幅広い知識・技能を習得する。

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