-
- 政策について
- 白書・報告書
- 製造基盤白書(ものづくり白書)
- 2020年版
- HTML版
- 第2部第4章第1節 学校教育におけるものづくり教育の充実
第2部 令和元年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策
第4章 ものづくり基盤技術に係る学習の振興に関する事項第1節 学校教育におけるものづくり教育の充実
1.初等中等教育において講じた施策
(1)スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(85百万円の内数)
社会の変化や産業の動向等に対応した、高度な知識・技能を身に付け、社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成するため、先進的な卓越した取組を行う専門高校をスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)として指定し、その取組を支援した。
(2)地域との協働による高等学校教育改革推進事業(2億51百万円)
高等学校が自治体、高等教育機関、産業界等と協働してコンソーシアムを構築し、地域課題の解決等を通じた探究的な学びを実現する取組を推進している。この取組のうちプロフェッショナル型において、地域に求められる人材を育成するため、地域の産業界等と連携・協働しながら地域課題の解決等の探究的な学びを実現する取組を支援した。
(3)全国産業教育フェアの開催(22百万円)
全国の専門高校等の生徒の学習成果を総合的に発表する場を提供し、学習意欲等を高めるとともに、産業界、教育界を始め、国民一般に広く産業教育への理解を深めてもらうため、専門高校等の生徒の研究発表や作品展示、ロボット競技大会等を行う「全国産業教育フェア」を2019年10月26日~10月27日(2日間)に新潟県において開催した。
(4)教員研修の実施((独)教職員支援機構の運営費交付金の内数)
産業教育担当教員等を対象とする教員研修を実施した。
(5)産業教育施設・設備の整備
公立高等学校における産業教育施設整備については、学校施設環境改善交付金の対象事業とした。
なお、私立高等学校における産業教育のための実験実習については、必要な施設・設備の整備に係る経費の一部を学校法人に対して補助した。
(6)スーパーサイエンスハイスクール(国立研究開発法人科学技術振興機構運営費交付金の内数等)
将来国際的に活躍しうる科学技術人材の育成を図るため、先進的な理数系教育を実施する高等学校等を指定し、学習指導要領によらないカリキュラムの開発・実践や課題研究の推進、観察・実験等を通じた体験的・問題解決的な学習等を推進する。
(7)理数教育充実のための総合的な支援(19億12百万円)
理科教育における観察・実験や指導の充実に向けた指導体制を整えるための理科観察・実験アシスタントの配置の支援や、「理科教育振興法」(昭和28年法律第186号)に基づき、観察・実験に係る実験用機器をはじめとした理科、算数・数学教育に使用する設備の計画的な整備を進めている。
(8)知的財産に関する創造力・実践力・活用力開発事業((独)工業所有権情報・研修館運営費交付金の内数)
アイデアを知的財産へ具体化、模擬的な出願書類を作成する過程等を通じて、新しいものや仕組みを企画・提案する「創造力」、その企画・提案を実社会のルールの中で実現させていく「実践力」、更にアイデアや創意工夫を実社会の中で形にして活用する「活用力」を付けてもらうことを目的として、明日の産業人材を輩出する専門高校及び高等専門学校の生徒・学生に対し、知財学習を支援した。
2.専修学校教育において講じた施策
(1)専修学校による地域産業中核的人材養成事業(12億74百万円)
専修学校等をはじめとした教育機関が産業界等と協働して、分野に応じた中長期的な人材育成に向けた協議体制の構築等を進めるとともに、これからの時代に対応した教育プログラム等の開発や効果的な産学連携教育の実施のためのガイドラインの作成等の取組を実施した。
(2)「職業実践専門課程」の認定
2014年度から、企業等との密接な連携を通じ、より実践的な職業教育の質の確保に組織的に取り組む専修学校の専門課程を文部科学大臣が認定する「職業実践専門課程」制度を実施(認定学校数:994校、認定学科数:2,986学科(2019年3月5日現在))。
(3)「キャリア形成促進プログラム」の認定
2018年度から、専修学校における社会人が受講しやすい工夫や企業等との連携がされた実践的な短期プログラムを「キャリア形成促進プログラム」として文部科学大臣が認定する制度を創設(認定学校数:10校、認定課程数:12課程(2019年1月17日現在))。
3.高等専門学校において講じた施策
社会的要請が高い分野における実践的・創造的な技術者を育成する国立高等専門学校の教育活動を支える基盤的な経費の充実を図るとともに、高専教育の高度化、日本型高専教育制度の海外展開と国際化を一体的に推進する取組を重点的に支援した。
4.大学教育において講じた施策
(1)Society5.0に対応した高度技術人材育成事業(9億20百万円)
大学と企業等の産業界が連携し、我が国の成長を牽引する分野の専門人材を育成する実践的な教育を促進するため、「Society5.0に対応した高度技術人材育成事業」を実施している。そのうち、情報技術を活用して社会課題を解決できる人材を育成する「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(Education( Network for Practical Information Technologies, enPiT)」において、2019年度は学士課程3~4年生を主な対象とする課題解決型学修中心のプログラムと、社会人を主な対象とする体系的で高度な短期の実践教育プログラムの開発・実施を進めた。
例えば、早稲田大学を中心とする「スマートエスイー:スマートシステム&サービス技術の産学連携イノベーティブ人材育成」の取組では、AI・IoT・ビッグデータ技術分野のビジネススクールとして社会人学び直しプログラムを開発・実施し、ビジネスからセンサまで全領域の体系的な学び、システム&デザイン思考科目、実問題を持ち込みマンツーマン指導で制作・研究する修了制作を通じ、特定領域を深めつつ技術群を組み合わせて価値を創造する実践力の養成を図っている。
(2)職業実践力育成プログラム(BP)
社会人の職業に必要な能力の向上を図る機会の拡大を目指し、大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムを「職業実践力育成プログラム」(BP)として文部科学大臣が認定する制度を実施(認定課程数:242課程(2019年4月現在)。
(3)博士課程教育リーディングプログラム(29億円)
俯瞰力と独創力を備え、広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーを養成するため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産学官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援する取組を実施した。
(4)卓越大学院プログラム(74億円)
各大学が自身の強みを核に、これまでの大学院改革の成果を生かし、国内外の大学・研究機関・民間企業等と組織的な連携を行いつつ、世界最高水準の教育力・研究力を結集した5年一貫の博士課程学位プログラムを構築することで、あらゆるセクターを牽引する卓越した博士人材を育成するとともに、人材育成・交流及び新たな共同研究の創出が持続的に展開される卓越した拠点を形成する取組を推進する。