経済産業省
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8か月ぶりの低下となった3月の生産能力指数

2015.5.19


 平成27年3月の製造工業稼動率指数は99.8で、前月比▲1.2%低下、生産能力指数は95.5で、前月比▲0.1%低下、前年同月比▲0.6%低下となりました。

 3月の稼働率は前月比▲1.2%低下となりましたが、鉱工業生産が2か月連続の低下であったため、当然の結果であると言えます。一方、水準については、昨年9月以降、この半年ほどの水準からすると少し低くなっていますが、これは鉱工業生産の1月の盛り上がり過ぎの反動減が年度いっぱい影響してしまったものであり、本来、年度末に稼働すべき分が多少前倒しされた部分があるようです。とは言え、今年の第1四半期は前期比1.0%上昇と、2期連続で稼働状況は改善しており、決して悪い状況になっているとの評価はできないと考えています。

 生産能力指数は前月比▲0.1%で、昨年7月以来8か月ぶりの低下となっています。前年同月比も▲0.6%低下で、いまだ前年同月比でプラスが無い状態が54か月続いています。3月の生産能力低下においては、年度末を迎えて、廃業や設備廃棄、人員体制の見直しなど、まさに事業整理等の結果、生産能力を低下させているという様相です。

 また、稼働率と生産能力の関係を四半期ベースでみると、今年の第1四半期では、稼働率も生産能力も昨年の第4四半期からは改善していることが分かります。
 いわゆるリーマンショック前の生産能力増強期についてみると、その開始点は稼働率指数の水準が110前後にあります。この稼働率指数が110に到達するのが、生産能力指数が反転上昇し始めるタイミングではないかと推察していました。
 しかし、今次局面では稼働率指数100前後で、生産能力が前期比で上昇する局面に変わってきました。こういった動きが持続的な生産能力の上昇、つまり国内製造業の基盤再強化の方向へとつながっていくのか、4月以降の推移に注目していきたいと思います。
 
 なお、下記の参考図表集のリンク先のPDFファイルには、機械工業と非機械工業ごとの生産能力指数の推移グラフや四半期ごとの稼働率指数と生産能力指数を散布図に描いたグラフなどをまとめておりますので、是非ご高覧ください。

○データ公表冊子
 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201503nj.pdf

○参考図表集
 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/sanko_201503.pdf

○鉱工業指数のしくみと見方
 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/pdf/b2010_mechanism_iipj.pdf


                    平成27年5月19日     
                    経済産業省 経済解析室長 石塚


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