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フードビジネスインデックス(FBI、試算値)でみる食料品関連産業の絵姿 2015.6.10

昨今、消費増税(平成26年4月)による落ち込みからの回復に注目が集まるなか、個人消費の動向には特に関心が高くなっています。そこで、個人消費のなかでもより生活に身近で、欠かすことの出来ない「食料品関連産業(以下、フードビジネス)」に焦点をあて、その動向を確認してみました。

具体的には、フードビジネスの内訳となる「食料品工業」、「食料品流通業」、「飲食サービス業」の事業規模などから業界構造を確認した後、3業態を統合したフードビジネスインデックス(FBI)を使ってフードビジネス全体の活動を確認するほか、内訳3業態それぞれの活動についても掘り下げてみてみます。

まず、フードビジネスインデックス(FBI)の推移を年ベースでみると、平成18年から平成26年にかけてフードビジネスの活動が緩やかに低下しています。内訳をみると、「食料品工業」や「食料品流通業」の2業態の活動が低下しており、全体を押し下げています。一方、「飲食サービス業」は平成18年以降、ほぼ横ばい圏内を推移しており、動きに違いがみられました。

平成24年、25年、26年の「食料品工業」の生産をみると、「肉製品」は好調に推移しているものの、「酒類」は低調に推移しています。平成26年には「清涼飲料」や「乳製品」の生産も前年割れしていることがわかりました。こうした動きは「飲食サービス業」でもみられ、「パブレストラン、居酒屋」は、この3年間で低下幅が拡大しているほか、平成26年には「食堂、レストラン、専門店」も前年を下回っています。

なお、食料品流通業のうち「飲食料品小売」について、業態別に販売構成比をみると、百貨店の売上比率は過去4年間で横ばいに推移しているのに対し、コンビニエンスストアの割合は年々増加傾向にあります。この増加分と、スーパーの日配(生菓子、パン等)や一般食品(調味料、菓子等)の減少分はほぼ等しいこともわかりました。

次に、フードビジネスの活動推移を平成27年1~3月期まで伸ばし、その動向を四半期ベースでみると、平成26年後半には「食料品工業」や「食料品流通業」が増税による落ち込みから少しずつ回復していることがみてとれます。

「食料品工業」では、引き続き「肉製品」の生産が堅調であるほか、増税直後に落ち込んでいた「清涼飲料水」や「酒類」も回復しつつあります。もっとも、「食料品流通業」のうち、川上に位置する「飲食料品卸売業」は生産同様、回復がみられる一方で、「飲食料品小売業」は足元、上げ渋っています。さらに「飲食サービス業」では、増税直後に目立った落ち込みはなかったものの、昨年の夏以降、「パブレストラン、居酒屋」の弱基調に加えて、「食堂、レストラン、専門店」の活動も低下していることが確認されました。

昨今、個人消費の持ち直しを期待する声も聞かれていますが、消費者行動がより反映されやすい「飲食料品小売業」や「飲食サービス業」では、まだその勢いは感じられていません。むしろ、それらの足元の弱さが川上に位置する「飲食料品卸売業」や「食料品工業」の生産活動にマイナスの影響を及ぼすことにならないか、今後の動向に注目していきたいと思います。

これらの内容について、各種のグラフをまとめたスライド資料をこちらにアップしておりますので、ご活用ください。

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini023j.pdf

平成27年6月10日
経済産業省 経済解析室長 石塚

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