ゲーム・ビジネス・インデックス(GBI)でみるゲーム産業の動向 2016.3.17
電車に乗っている時や、何かの待ち時間など、ちょっとした時間にスマートフォンでゲームをする方は、ビジネスマンにも多いのではないでしょうか。家に帰るとすぐにパソコンを立ち上げてオンラインゲームに興じる、本格的なゲーマー・ビジネスマンもおられるかもしれません。スマートフォンやパソコン、タブレット端末といった、使い道をゲームに特化しない汎用機を介してプレイするゲームが急速に広まったことで、それまでゲームをしなかった人にまで、プレイヤーの裾野が広まったようです。
ゲーム・ビジネスというと、かつては、家庭用ゲーム機や携帯用ゲーム機とそれらに専用のゲームソフトが小売店で売られている姿を思い浮かべればよかったかもしれません。しかし今や、ゲームはゲーム機でしかプレイできないものではありません。ゲームソフトについても、ダウンロード販売やインターネット配信など、販路が拡大しています。また、ビジネスモデルとして、無料でゲームを提供して、ゲーム内で利用できるアイテム(追加コンテンツ)が欲しいプレイヤーが課金するビジネスモデルが広まるなど、ビジネス全体がより複雑になりました。
そこで今回、ゲーム産業の動向をみるために、経済産業省生産動態統計調査、第3次産業活動指数、その他関連統計を基に、ゲーム・ビジネス・インデックス(GBI)という指標を試算してみました。
GBIの動向をみると、リーマンショック後の大幅な下落傾向が2011年頃に底を打ったものの、回復は緩やかで一進一退を続けていることがわかりました。リーマンショック直後の大幅な下落の要因はハードウェア(ゲーム機)の落ち込みによるものでしたが、回復の主な要因となっているのは、ソフトウェアの開発・販売(特にコンテンツ配信)によるもののようです。
また、リーマンショック直後よりも、1年以上遅れて現れた影響のほうが大きいなど、売上の要因としてコンテンツの魅力が大きく、開発費用が絞られると後に売上の低下となって現れるという業界の特徴が見られました。今後の業界動向を左右するポイントも、ここにあると思われます。
GBIの作成方法や、ゲーム・ビジネスにおける分野ごとのインデックスの推移を御紹介した、ミニ経済分析も作成しています。詳しく御覧になりたい方は、下記URLにアクセスしてみてください。
◎ミニ経済分析L
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini044j.pdf
平成28年3月17日
経済産業省 経済解析室長 石塚
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