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2020年小売業販売を振り返る(後編);コロナ禍の影響は地域毎にも異なるが、特に近畿では多くの業態で減少ないし伸び悩みが生じていた 2021年4月9日

経済産業省の商業動態統計は、個人消費の動向を供給側から把握することができる経済指標です。この指標を用いると、業種別、業態別、商品別の小売動向を分析することができるため、個人消費に関して示唆に富んだ分析を行うことが可能です。

今回は、2020年の小売業販売について振り返る後編です。2020年は我が国も新型コロナウイルス感染症の拡大に直面しましたが、感染の広がりは地域によっても異なっていました。後編ではこのコロナ禍の小売業販売への影響は地域によりどう違いがあったのか、業態ごとにみていきたいと思います。

なお、地域区分は経済産業局の管轄区域となっていますのでご注意ください(末尾の注参照)。

百貨店、コンビニエンスストアは全国的に減、スーパーは減少の地域も

下のグラフは、横軸が2020年の全国販売額の地域別構成比、縦軸が販売額の前年比伸び率(%)を示しています。地域毎の縦横に囲まれた面積をみることで、全国販売額の前年比伸び率に対する影響度合いが分かります。

全国販売額の前年比がマイナス25.5%の減少となった百貨店は、多少伸び率のばらつきはあるものの、全国的に大幅減となりました。百貨店は緊急事態宣言下の休業や営業短縮、また消費者の外出自粛やインバウンド消費の減少などにより、地域を問わず強く影響を受けたことが分かります。

他方、全国販売額の前年比が3.4%の増加となったスーパーは、近畿を除く全ての地域で増加しました。巣ごもり需要で全国的に飲食料品が伸びましたが、近畿は品目別の伸び率が全て全国平均を下回り、品目別で唯一増加となった飲食料品の伸び率も全国平均より小さい結果となりました。

この近畿のスーパーの販売額については、前年2019年も前々年2018年も、販売額の伸び率は地域別では最も低く、前年比マイナスが続いていました。つまり、2020年に近畿のスーパーの販売額が全国で唯一減少したのは、近畿では従前よりスーパーの販売額が低調であった中で、2020年はコロナ禍による巣ごもり需要があっても前年比プラスになるほどではなかったということのようです。近畿では元々スーパーの競争環境が厳しい状態にあるのかもしれませんが、2020年は他業態でも近畿での販売額の伸び率は総じて低めであったことをみると、近畿ではコロナ禍がモノ消費を減少させる方向に作用する効果が他地域よりも大きかった可能性も考えられます。

コンビニエンスストアは、全国の販売額が前年比マイナス4.4%の減少と調査開始(1998年)以来初めて減少に転じました。外出自粛や出勤回避により、特にオフィス街や観光地での需要減少が響いたことが考えられます。特に近畿や中部の減少幅が大きかったようです。

専門量販店3業態は概ね全国的に増加も、インバウンド消失や外出自粛等の影響で増加幅に地域差

次に、揃って全国販売額が前年比増加となった専門量販店3業態(家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター)についてみていきましょう。

家電大型専門店は、全国の販売額が前年比5.1%の増加でした。全国的に増加となりましたが、中部、近畿、北海道の増加率は比較的小さい結果となりました。中部は前年に比べ増加幅が拡大していますが、近畿と北海道は前年よりも増加幅が縮小しており、巣ごもり需要よりもインバウンド消失や外出自粛、営業時間短縮等が響いたのではないかと考えられます。

ドラッグストアは、全国の販売額が前年比6.6%の増加でした。沖縄以外の全地域で増加となりましたが、北海道、近畿の増加率は小さく、地域により差がありました。沖縄、北海道、近畿の3地域は、前年よりも増加幅が縮小(沖縄は前年は増加)しており、コロナ禍での需要増よりもインバウンド消失や外出自粛等の影響が大きかったのではないかと考えられます。

ホームセンターは、全国の販売額が前年比6.8%と4年ぶりに増加に転じましたが、地域毎にみても、販売額は全国的に増加となりました。増加幅には地域差もありますが、関東とデータのない九州・沖縄以外の全ての地域で前年の減少から増加に転じ、関東も前年の微増から伸び率が拡大しました。人々の在宅時間が増える中で、家で過ごす時間を充実させようとする動きは全国的に生じ、これにより、程度の差はあれ全ての地域でホームセンターの販売額が増加したようです。

このように、2020年はコロナ禍により、小売業販売にも例年とは異なる影響が様々生じていましたが、地域毎のデータをみてみると、その影響の程度も地域によって違いがあったようです。商業動態統計調査は毎月これら業態別の地域別データも公表しておりますので、ぜひご確認いただければと思います。

(注)<経済産業局の管轄都道府県について>

北海道:北海道

東北:青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島

関東:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡

中部:富山、石川、岐阜、愛知、三重

近畿:福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山

中国:鳥取、島根、岡山、広島、山口

四国:徳島、香川、愛媛、高知

九州:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島

沖縄総合事務局(内閣府):沖縄

ただし、小売業販売への影響分析においては、統計の制約から九州と沖縄を統合しているものもある。

ミニ経済分析「2020年小売業販売を振り返る」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20210409minikeizai.html

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : qqcebc@meti.go.jpメールリンク

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