- 12月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
- 業種ごとの動向
- 『対個人/対事業所サービス』の動向
- 『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
- 『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
- 12月時点の基調判断は、「一部に足踏みがみられるものの、持ち直しの動き」を据え置き
12月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
12月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値98.9、前月比0.4%と4か月連続の上昇となりました。
サービス産業活動は、2021年9月以降、新型コロナウイルス感染症の影響が縮小する中、12月もその動きが続いた結果、4か月連続での上昇となりました。
なお、サービス産業の活動水準については、2020年の底であった同年5月の指数値86.7と比べれば高いものの、感染拡大防止のためのスポーツ・文化イベントの延期などが本格化する前の2020年2月の指数値101.4を下回る水準で、これまでの活動水準からみれば依然低い水準が続いています。

業種ごとの動向
12月の業種別の動きをみると、11業種中、6業種が前月比上昇、4業種が同低下、1業種が同横ばいという結果となりました。
12月は、生活娯楽関連サービスなどが上昇したことにより、サービス産業全体としては上昇することとなりました。

生活娯楽関連サービスは、前月比4.3%と、4か月連続の上昇となりました。内訳業種では、宿泊業や娯楽業、旅行業などが上昇に寄与しています。12月は、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き緩和したことなどを受けて、宿泊関連や娯楽関連、旅行関連などの活動が上昇しました。

『対個人/対事業所サービス』の動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。
12月の対個人サービスは、指数値98.7、前月比0.4%と4か月連続の上昇となりました。新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き緩和したことなどを受けて、消費者の購買・サービス消費活動が回復し、対個人サービスは上昇しました。
また、対事業所サービスは、指数値98.7、前月比0.2%と3か月連続の上昇となりました。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。
12月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比0.0%と横ばいで推移する中、非製造業依存型事業所向けサービスが前月比0.2%と3か月連続で上昇しました。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。
12月は、非選択的個人向けサービスが前月比マイナス0.7%と、3か月ぶりの低下となる一方で、し好的個人向けサービスが前月比1.5%と、4か月連続の上昇となりました。
し好的個人向けサービスの上昇は、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き緩和したことなどを受けて、宿泊関連や旅行関連、娯楽関連などの活動が上昇したことによります。

12月時点の基調判断は、「一部に足踏みがみられるものの、持ち直しの動き」を据え置き
12月は、対個人サービスが0.4%の上昇、対事業所サービスが0.2%の上昇となり、サービス産業活動指数は、前月比0.4%と、4か月連続の上昇となりました。
また、先行きについては、日本国内で拡大しているオミクロン株を中心とした新型コロナウイルス感染症が、個人向けサービス活動に影響を与えていくことが懸念されます。
こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の12月の基調判断については、「一部に足踏みがみられるものの、持ち直しの動き」を据え置くこととします。
なお、日本国内で急速に拡大しているオミクロン株を中心とした新型コロナウイルス感染症が、サービス活動に与える影響などの今後の動向についても、引き続き注視してまいります。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202112.html
- マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html