- 2月の第3次産業活動指数は、前月比低下
- 業種ごとの動向
- 『対個人/対事業所サービス』の動向
- 『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
- 『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
- 2月時点の基調判断は、「足踏みがみられる」に引き下げ
2月の第3次産業活動指数は、前月比低下
2月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値96.8、前月比マイナス1.3%と3か月連続の低下となりました。
サービス産業活動は、2021年9月以降、新型コロナウイルス感染症の影響が縮小する動きが継続していましたが、2021年12月以降、再び新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受けて低下していました。
2月は、最大36都道府県までまん延防止等重点措置が拡大されるなど、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受けて、対個人サービスが低下したことなどから、3か月連続での低下となりました。

業種ごとの動向
2月の業種別の動きをみると、11業種中、7業種が前月比低下、3業種が同上昇、1業種が同横ばいという結果となりました。
2月は、生活娯楽関連サービスや卸売業などの多くの業種が低下したことにより、サービス産業全体としては低下することとなりました。

生活娯楽関連サービスは、前月比マイナス6.2%と、3か月連続の低下となりました。内訳業種では、「飲食店,飲食サービス業」、娯楽業や洗濯・理容・美容・浴場業などが低下に寄与しています。2月は、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大したことなどを受けて、低下しました。
また、卸売業は、前月比マイナス2.8%と、2か月ぶりの低下となりました。内訳業種では、その他卸売業(機械器具を除く住関連卸売業)や飲食料品卸売業などが低下に寄与しています。2月は、その他卸売業(機械器具を除く住関連卸売業)が前月からの反動減などにより、飲食料品卸売業がまん延防止等重点措置に伴う業務用需要の減少などにより、低下しました。

『対個人/対事業所サービス』の動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。
2月の対個人サービスは、指数値95.1、前月比マイナス0.7%と2か月連続の低下となりました。新型コロナウイルス感染症の影響が拡大したことなどを受けて、消費者の購買・サービス消費活動が抑制されたことなどから、低下しました。
一方、対事業所サービスは、指数値99.9、前月比マイナス0.3%と5か月ぶりの低下となりました。このところの上昇基調の反動に加え、物流関連の不調や部材供給不足の長期化などを受けて、企業の取引活動が低調であったことなどから、低下したものと考えられます。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。
2月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス1.3%、非製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス0.5%とともに低下しました。特に、製造業依存型事業所向けサービスは、製造業の生産活動の伸び悩みなどを受けて、2か月ぶりに低下しました。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。
2月は、し好的個人向けサービスが前月比0.7%、非選択的個人向けサービスが前月比0.5%とともに上昇しましたが、今回、し好的個人向けサービスと非選択的個人向けサービスを統合した対個人サービスについては、前月比マイナス0.7%と両指数とは逆方向の動きとなりました。
この理由は、対個人サービス、し好的個人向けサービス、非選択的個人向けサービスの各々の季節調整済指数は、個別に季節変動を計算・除外することで作成していますが、計算された各季節変動が大きく異なったことが影響しています。
今回、2021年1月~12月分の数値も反映させて、季節調整済指数が再計算(年間補正についてはこちら)されています。2020~2021年のコロナ禍において、緊急事態宣言等の措置が繰り返されるなど、例年と大きく異なる動きが2年連続で続いたことから、この変動の一部が毎年繰り返される季節性として反映され、各指数の季節変動にも影響を及ぼし、今回のような状況が発生したと考えられます。

2月時点の基調判断は、「足踏みがみられる」に引き下げ
2月は、対個人サービスが前月比0.7%の低下、対事業所サービスが前月比0.3%の低下となり、サービス産業活動指数は、同マイナス1.3%と、3か月連続の低下となりました。
こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の2月の基調判断については、「足踏みがみられる」に引き下げることとします。また、先行きについては、3月にまん延防止等重点措置が解除され、対個人サービスの回復などが期待されますが、国内外での新型コロナウイルス感染症、部材供給不足の長期化や物価上昇などのサービス活動への影響が懸念されます。
なお、新型コロナウイルスの感染症の内外経済への影響や、部材調達不足や物価上昇の影響、ウクライナ情勢などについては、注視してまいります。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202202.html
- マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html