4月のサービス産業活動は、対個人サービスが1.7%の上昇、対事業所サービスが0.3%の上昇となったことから、サービス産業全体では、前月比0.7%と、2か月連続の上昇。4月時点の基調判断は、「持ち直しの動き」に引き上げ。

    4月の第3次産業活動指数は、前月比上昇

    4月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値98.5、前月比0.7%と2か月連続の上昇となりました。

    サービス産業活動は、2021年12月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受けて低下していましたが、2022年3月は、まん延防止等重点措置が解除されるなど、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が緩和されたことなどを受けて、対個人サービスが上昇したことなどから、4か月ぶりに上昇しました。

    こうした中、4月は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一段と緩和されたことなどを受けて、2か月連続で上昇しました。

    図表01

    業種ごとの動向

    4月の業種別の動きをみると、11業種中、5業種が前月比上昇、6業種が同低下という結果となりました。

    4月は、情報通信業や「金融業,保険業」、生活娯楽関連サービスなどの業種が上昇したことにより、サービス産業全体としては上昇することとなりました。

    図表02

    情報通信業は、前月比6.3%と、2か月ぶりの上昇となりました。内訳業種では、情報サービス業や映像・音声・文字情報制作業などが上昇に寄与しています。4月は、3月の一時的な低下幅が大きかったことなどから、その反動等で大幅に上昇しました。

    また、「金融業,保険業」は、前月比4.1%と、3か月ぶりの上昇となりました。内訳業種では、保険業が上昇に寄与しています。4月は、新型コロナウイルス感染症の影響が一段と緩和したことなどを受けて、対面販売の営業活動の活発化等により、上昇したものと考えられます。

    生活娯楽関連サービスは、前月比2.8%と、2か月連続の上昇となりました。内訳業種では、「飲食店,飲食サービス業」が上昇に寄与しています。4月は、新型コロナウイルス感染症の影響が一段と緩和したことなどを受けて、外出機会等が増加し、消費者のサービス消費活動が回復したことなどにより、上昇しました。

    図表03

    『対個人/対事業所サービス』の動向

    サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。

    4月の対個人サービスは、指数値98.1、前月比1.7%の上昇となり、対事業所サービスは、指数値100.1、前月比0.3%と、ともに2か月連続の上昇となりました。新型コロナウイルス感染症の影響が緩和したことなどを受けて、消費者の購買・サービス消費活動が回復したことなどから、上昇しました。

    図表04

    『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

    対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。

    4月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス3.7%と低下した一方で、非製造業依存型事業所向けサービスが同1.2%と上昇しました。製造業依存型事業所向けサービスについては、中国でのロックダウン等の影響などで低下したものと考えられます。また、非製造業依存型事業所向けサービスは、情報サービス関連で3月の一時的な大幅低下の反動等の影響などで上昇したものと考えられます。

    図表05

    『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

    対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。

    4月は、非選択的個人向けサービスが前月比1.5%、し好的個人向けサービスが同0.3%と、ともに上昇しました。

    特に、し好的個人向けサービスについては、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和したことなどを受けて、消費者の購買・サービス消費活動が回復したことなどから、3か月連続で上昇しました。

    図表06

    4月時点の基調判断は、「持ち直しの動き」に引き上げ

    4月は、対個人サービスが前月比1.7%の上昇、対事業所サービスが同0.3%の上昇となったことから、サービス産業活動指数は、同0.7%と、2か月連続の上昇となりました。

    また、先行きについては、5月以降も引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和していることなどから、対個人サービスの回復は継続していくことが期待されます。

    こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の4月の基調判断については、「持ち直しの動き」に引き上げることとします。

    なお、新型コロナウイルスの感染症の内外経済への影響や、部材供給不足や物価上昇の影響、ウクライナ情勢などについては、引き続き注視してまいります。

    結果概要のページ
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
    参考図表集
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202204.html
    マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
    https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

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