- 5月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
- 業種ごとの動向
- 『対個人/対事業所サービス』の動向
- 『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
- 『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
- 5月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」に引き上げ
5月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
5月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値99.7、前月比0.8%と3か月連続の上昇となりました。
サービス産業活動は、2021年12月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受けて低下していましたが、2022年3月に、まん延防止等重点措置が解除され、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が緩和したことなどを受けて、4月まで上昇が継続していました。
こうした中、5月は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一段と緩和されたことなどを受けて、3か月連続で上昇しました。

業種ごとの動向
5月の業種別の動きをみると、11業種中、7業種が前月比上昇、4業種が同低下という結果となりました。
5月は、生活娯楽関連サービスが大幅に上昇したことなどにより、サービス産業全体としては上昇することとなりました。

生活娯楽関連サービスは、前月比10.1%と、3か月連続の上昇となりました。内訳業種では、「飲食店,飲食サービス業」、娯楽業、宿泊業などが上昇に寄与しています。5月は、新型コロナウイルス感染症の影響が一段と緩和したことなどを受けて、外出機会等が増加し、消費者のサービス消費活動が大幅に回復したことなどにより、上昇しました。

『対個人/対事業所サービス』の動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。
5月の対個人サービスが、指数値96.7、前月比マイナス1.9%、対事業所サービスが、指数値99.9、同マイナス0.8%と、ともに低下となりましたが、サービス産業総合では、同0.8%の上昇と、両指数とは逆方向の動きとなりました。
この理由は、対個人サービスや対事業所サービスの各々の季節調整済指数は、個別に季節変動を計算・除外することで作成している一方で、サービス産業総合は業種系列の季節調整済指数を積み上げる形(間接法)で作成しているため、計算された季節変動が大きく異なったことが影響しています。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。
5月は、非製造業依存型事業所向けサービスが前月比1.0%と上昇する一方で、製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス2.1%と低下しました。製造業依存型事業所向けサービスについては、中国でのロックダウン等の影響などで低下したものと考えられます。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。
5月は、非選択的個人向けサービスが前月比マイナス1.3%と低下する一方で、し好的個人向けサービスが同1.0%と上昇しました。
特に、し好的個人向けサービスについては、新型コロナウイルス感染症の影響が一段と緩和したことなどを受けて、消費者の購買・サービス消費活動が回復したことなどから、4か月連続で上昇しました。

5月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」に引き上げ
5月は、生活娯楽関連サービスが前月比10.1%の大幅上昇となるなど、多くの業種で上昇したことなどを受けて、サービス産業活動指数は、同0.8%と、3か月連続の上昇となりました。
また、先行きについては、6月からの中国でのロックダウンの解除等に伴い、その影響の緩和が見込まれることなどから、対事業所サービスが回復していくことが期待されます。
こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の5月の基調判断については、「持ち直し傾向にある」に引き上げることとします。
なお、新型コロナウイルスの感染症の内外経済への影響や、部材供給不足や物価上昇による取引量への影響、ウクライナ情勢などについては、引き続き注視してまいります。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202205.html
- マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html