- 6月の第3次産業活動指数は、前月比低下
- 業種ごとの動向
- 『対個人/対事業所サービス』の動向
- 『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
- 『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
- 6月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」に据え置き
6月の第3次産業活動指数は、前月比低下
6月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値99.9、前月比マイナス0.2%と4か月ぶりの低下となりました。
サービス産業活動は、2021年12月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受けて低下していましたが、2022年3月に、まん延防止等重点措置が解除され、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が緩和したことなどを受けて、5月まで上昇が継続していました。
こうした中、6月は、これまでの上昇の反動などにより、「医療,福祉」や不動産業、小売業などが低下したことを受けて、4か月ぶりに低下しました。

業種ごとの動向
6月の業種別の動きをみると、11業種中、7業種が前月比低下、3業種が同上昇、1業種が同横ばいとなりました。
6月は、「医療,福祉」や不動産業、小売業などが低下したことなどにより、サービス産業全体としては低下しました。

「医療,福祉」は、前月比マイナス1.3%と、4か月ぶりの低下となりました。内訳業種では、医療業などが低下に寄与しています。6月は、これまでの上昇の反動などを受けて、医療機関への受診等が減少し、医療サービス活動が低下したものと考えられます。
また、不動産業は、前月比マイナス1.7%と、2か月連続の低下となりました。内訳業種では、「建物売買業,土地売買業」などが低下に寄与しています。6月は、マンション分譲や新築戸建住宅の売買が低下したことなどを受けて、不動産の取引活動が低下したものと考えられます。
さらに、小売業は、前月比マイナス0.9%と、4か月ぶりの低下となりました。内訳業種では、織物・衣服・身の回り品小売業や各種商品小売業などが低下に寄与しています。6月は、月前半の気温低下の影響などを受けて、これらの業種が低下したものと考えられます。

『対個人/対事業所サービス』の動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。
6月の対個人サービスが、指数値98.5、前月比0.9%、対事業所サービスが、指数値100.7、同1.1%と、ともに上昇となりましたが、サービス産業総合では、同0.2%の低下と、両指数とは逆方向の動きとなりました。
この理由は、対個人サービスや対事業所サービスの各々の季節調整済指数は、それぞれ個別に季節変動を計算・除外することで作成している一方で、サービス産業総合は業種系列の季節調整済指数を積み上げる形(間接法)で作成していることが影響しています。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。
6月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比4.1%と上昇する一方で、非製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス0.3%と低下しました。製造業依存型事業所向けサービスについては、製造業活動の復調などから上昇したものと考えられます。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。
6月は、し好的個人向けサービスが前月比1.7%、非選択的個人向けサービスが同0.6%とともに上昇しました。
特に、し好的個人向けサービスについては、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことなどを受けて、財・サービスの消費活動が上昇したことなどから、5か月連続で上昇しました。

6月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」に据え置き
6月は、「医療,福祉」や不動産業、小売業などが低下したことを受けて、サービス産業活動指数は、前月比マイナス0.2%と、4か月ぶりの低下となりましたが、ならしてみると、持ち直しの傾向は継続していると考えられます。
こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の6月の基調判断については、「持ち直し傾向にある」に据え置きます。
なお、先行きについては、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響が懸念されるものの、引き続き、中国でのロックダウンの解除等に伴う対事業所サービスの回復が期待されています。
今後も、新型コロナウイルスの感染症の内外経済への影響や、部材供給不足や物価上昇による取引量への影響などについては、引き続き注視してまいります。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202206.html
- マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html