7月のサービス産業活動は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、前月比マイナス0.6%と、2か月連続の低下。7月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き。

    7月の第3次産業活動指数は、前月比低下

    7月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値99.2、前月比マイナス0.6%と2か月連続の低下となりました。

    サービス産業活動は、2021年12月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受けて低下していましたが、2022年3月に、まん延防止等重点措置が解除され、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が緩和したことなどを受けて、5月まで上昇が継続していました。

    こうした中、6月は、これまでの上昇の反動などにより低下し、7月は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、生活娯楽関連サービスや「運輸業,郵便業」等が低下したことなどから、2か月連続で低下しました。

    図表01

    業種ごとの動向

    7月の業種別の動きをみると、11業種中、8業種が前月比低下、2業種が同上昇、1業種が同横ばいとなりました。

    7月は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、生活娯楽関連サービスや「運輸業,郵便業」等が低下したことなどから、サービス産業全体としては低下しました。

    図表02

    生活娯楽関連サービスは、前月比マイナス2.1%と、2か月連続の低下となりました。内訳業種では、宿泊業や「飲食店,飲食サービス業」などが低下に寄与しています。7月は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、外出機会の減少などにより、宿泊関連や飲食関連、旅行関連等のサービス活動が低下しました。

    また、「医療,福祉」は、前月比マイナス1.2%と、2か月連続の低下となりました。内訳業種では、医療業などが低下に寄与しています。7月は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、医療機関への受診の長期化等により、医療サービス活動が低下したものと考えられます。

    さらに、「運輸業,郵便業」は、前月比マイナス1.4%と、3か月ぶりの低下となりました。内訳業種では、鉄道業や道路旅客運送業などが低下に寄与しています。7月は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、外出機会の減少などにより、旅客関連のサービス活動が低下しました。

    他方で、情報通信業は、前月比2.1%と、3か月ぶりの上昇となりました。内訳業種では、情報サービス業などが上昇に寄与しています。7月は、DXや5G需要等が堅調であったことなどから、上昇したものと考えられます。

    図表03

    『対個人/対事業所サービス』の動向

    サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。

    7月の対個人サービスが、指数値98.9、前月比0.8%と上昇した一方で、対事業所サービスが、指数値100.0、同マイナス0.8%と低下しました。

    対事業所サービスは、情報通信業を除く幅広い分野で、事業者間での取引需要が低下したことなどを受けて、全体として低下しました。

    図表04

    『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

    対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。

    7月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス1.4%と、非製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス0.6%と、ともに低下しました。製造業、非製造業を問わず、対事業所サービスが、情報通信業を除く幅広い分野で、事業者間での取引需要が低下したことなどを受けて、それぞれ低下しました。

    図表05

    『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

    対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。

    7月は、非選択的個人向けサービスが前月比0.1%、し好的個人向けサービスが同0.1%と、ともに上昇しました。

    特に、し好的個人向けサービスについては、6か月連続で上昇しているものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、上昇幅が緩やかになっています。

    図表06

    7月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き

    7月は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、サービス産業活動指数は、前月比マイナス0.6%と、2か月連続の低下となりましたが、均してみると、持ち直しの傾向は継続していると考えられます。

    こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の7月の基調判断については、「持ち直し傾向にある」を据え置きます。

    なお、先行きについては、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響が再度緩和されつつあり、対個人サービスの回復が期待されます。

    今後も、新型コロナウイルスの感染症の内外経済への影響や、部材供給不足や物価上昇による取引量への影響などについては、引き続き注視してまいります。

    結果概要のページ
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
    参考図表集
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202207.html
    マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
    https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

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