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８月のサービス産業活動は、企業間の財取引の増加や３年ぶりの行動制限のない夏休み需要などを受けて、前月比０.７％と、３か月ぶりの上昇。８月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き。

８月の第３次産業活動指数は、前月比上昇

８月のサービス産業（第３次産業）活動指数は、指数値１００.０、前月比０.７％と３か月ぶりの上昇となりました。

サービス産業活動は、2022年３月に、まん延防止等重点措置が解除され、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が緩和したことなどを受けて、５月まで上昇が継続していました。

その後、６月は、これまでの上昇の反動などにより、７月は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などを受けて、２か月連続で低下しました。

こうした中、８月は、企業間の財取引の増加や３年ぶりの行動制限のない夏休み需要などを受けて、３か月ぶりに上昇しました。

８月の業種別の動きをみると、１１業種中、５業種が前月比上昇、５業種が同低下、１業種が同横ばいとなりました。

８月は、新型コロナウイルス感染者数の増加などを受けて、「医療，福祉」が、企業間の財取引の増加や３年ぶりの行動制限のない夏休み需要などを受けて、卸売業等が上昇したことなどから、サービス産業全体としては上昇しました。

「医療，福祉」は、前月比３.２％と、３か月ぶりの上昇となりました。内訳業種では、医療業などが上昇に寄与しています。８月は、新型コロナウイルス感染者数の増加などを受けて、医療関連サービス活動が上昇したものと考えられます。

また、卸売業は、前月比２.８％と、２か月ぶりの上昇となりました。内訳業種では、その他卸売業（機械器具を除く住関連卸売業）や機械器具卸売業などが上昇に寄与しています。８月は、製造業活動の復調などから企業間の財取引が増加したことなどを受けて、上昇しました。

サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス（以下対個人サービス）」と「広義対事業所サービス（以下対事業所サービス）」に分けることができます。

８月の対個人サービスが、指数値９８.７、前月比マイナス０.５％と低下した一方で、対事業所サービスが、指数値１００.６、同０.９％と上昇しました。

対事業所サービスは、企業間の財取引が増加したことなどを受けて、上昇しました。

対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。

８月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比１.３％、非製造業依存型事業所向けサービスが同１.３％と、ともに上昇しました。製造業依存型事業所向けサービスは、企業間の財取引が増加したことなどを受けて、上昇したものと考えられます。

対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。

８月は、し好的個人向けサービスが前月比マイナス１.７％と７か月ぶりに低下する一方で、非選択的個人向けサービスが前月比０.３％と２か月連続で上昇しました。

し好的個人向けサービスについては、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響などにより、低下したものと考えられます。

８月は、企業間の財取引の増加や３年ぶりの行動制限のない夏休み需要などを受けて、サービス産業活動指数は、前月比０.７％と、３か月ぶりの上昇となり、均してみると、持ち直しの傾向は継続していると考えられます。

こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の８月の基調判断については、「持ち直し傾向にある」を据え置きます。

なお、先行きについては、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響が再度緩和されつつあり、対個人サービスの回復が期待されます。

今後も、新型コロナウイルス感染症の内外経済への影響や、部材供給不足や物価上昇による取引量への影響などについては、引き続き注視してまいります。

結果概要のページ: https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
参考図表集: https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202208.html
マンガ「就職にも使える！第３次産業活動指数」: https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html