12月のサービス産業活動は、製造業等の取引活動が不調であったことや新型コロナウイルス感染症の再拡大などを受けて、前月比マイナス0.4%と、3か月ぶりの低下。12月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き。

    12月の第3次産業活動指数は、前月比低下

    12月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値99.7、前月比マイナス0.4%と3か月ぶりの低下となりました。

    これまでのサービス産業活動は、8月は、3年ぶりの行動制限のない夏休み需要などを受けて上昇し、9月は、企業間の財・サービス取引の減少などを受けて低下しました。

    その後、10月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことや全国旅行支援の開始、水際対策の緩和等を受けて上昇に転じ、11月も上昇が継続しました。

    こうした中、12月は、製造業等の取引活動が不調であったことや新型コロナウイルス感染症の再拡大などを受けて、「運輸業,郵便業」や生活娯楽関連サービスなどが低下したことから、サービス産業全体として低下しました。

    図表01

    業種ごとの動向

    12月の業種別の動きをみると、11業種中、3業種が前月比低下、5業種が同上昇、3業種が同横ばいとなりました。

    12月は、製造業等の取引活動が不調であったことや新型コロナウイルス感染症の再拡大などを受けて、「運輸業,郵便業」や生活娯楽関連サービス等が低下したことなどから、サービス産業全体としては低下しました。

    図表02

    「運輸業,郵便業」は、前月比マイナス5.1%と、2か月ぶりの低下となりました。内訳業種では、道路貨物運送業や郵便業(信書便事業を含む)などが低下に寄与しています。12月は、道路貨物運送業については、製造業等の取引活動が不調であったことなどから、郵便業(信書便事業を含む)については、年賀状が不振であったことなどから、低下しました。

    また、生活娯楽関連サービスは、前月比マイナス4.1%と、2か月連続の低下となりました。内訳業種では、旅行業や写真業などが低下に寄与しています。12月は、新型コロナウイルス感染症が再び拡大したことなどから、低下しました。

    図表03

    『対個人/対事業所サービス』の動向

    サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。

    12月の対個人サービスが、指数値101.0、前月比0.4%と上昇する一方で、対事業所サービスが、指数値100.0、同マイナス0.1%と低下となり、サービス産業全体では、同マイナス0.4%と低下しています。

    対事業所サービスについては、製造業等の取引活動が不調であったことなどから、低下したものと考えられます。

    図表04

    『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

    対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。

    12月は、非製造業依存型事業所向けサービスが前月比1.0%と上昇する一方で、製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス3.0%と低下しました。

    特に、製造業依存型サービスについては、部材供給不足の影響などで取引活動が低下したものと考えられます。

    図表05

    『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

    対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。

    12月は、非選択的サービスが前月比0.3%、し好的サービスが同1.4%と、ともに上昇しました。

    図表06

    12月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き

    12月は、製造業等の取引活動が不調であったことや新型コロナウイルス感染症の再拡大などを受けて、「運輸業,郵便業」や生活娯楽関連サービス等が低下したことなどから、サービス産業活動指数は、前月比マイナス0.4%と、3か月ぶりの低下となりましたが、均してみると、持ち直しの傾向は継続していると考えられます。

    こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の12月の基調判断については、「持ち直し傾向にある」を据え置きます。

    なお、先行きについては、全国旅行支援の継続や水際対策の緩和などから、引き続き対個人サービスの回復が期待されます。

    今後も、新型コロナウイルス感染症の内外経済への影響や、部材供給不足や物価上昇による取引量への影響などについては、引き続き注視してまいります。

    結果概要のページ
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
    参考図表集
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202212.html
    マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
    https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

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