- 3月の第3次産業活動指数は、前月比低下
- 業種ごとの動向
- 『対個人/対事業所サービス』の動向
- 『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
- 『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
- 3月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き
3月の第3次産業活動指数は、前月比低下
3月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値100.0、前月比マイナス1.7%と3か月ぶりの低下となりました。
これまでのサービス産業活動は、2022年12月は、製造業等の取引活動が不調であったことや新型コロナウイルス感染症の再拡大などを受けて、低下していましたが、1月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことなどから、上昇していました。
その後、2月は、引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことなどを受けて、上昇していました。
こうした中、3月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたものの、これまでの上昇の反動などを受けて、3か月ぶりに低下しました。

業種ごとの動向
3月の業種別の動きをみると、11業種中、8業種が前月比低下、3業種が同上昇となりました。
3月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたものの、これまでの上昇の反動などを受けて、「運輸業,郵便業」や生活娯楽関連サービス等が低下したことなどから、サービス産業全体として低下しました。

「運輸業,郵便業」は、前月比マイナス13.1%と、3か月ぶりの低下となりました。内訳業種では、貨物運送業などが低下に寄与しています。3月は、製造業等の取引活動が堅調であったものの、これまでの上昇の反動などを受けて、低下したものと考えられます。
また、生活娯楽関連サービスは、前月比マイナス3.8%と、3か月ぶりの低下となりました。内訳業種では、「飲食店,飲食サービス業」や娯楽業などが低下に寄与しています。3月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたものの、これまでの上昇の反動などから、低下しました。

『対個人/対事業所サービス』の動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。
3月の対個人サービスが、指数値102.1、前月比マイナス0.7%、対事業所サービスが、指数値98.4、同マイナス1.7%と、ともに低下となり、サービス産業全体では、同マイナス1.7%と低下しました。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。
3月は、非製造業依存型事業所向けサービスが、前月比0.1%となる一方で、製造業依存型事業所向けサービスが、同マイナス7.3%となり、全体として低下しました。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。
3月は、非選択的サービスが前月比マイナス0.7%、し好的サービスが同マイナス1.0%と、ともに低下したことなどから、全体として低下しました。

3月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き
3月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたものの、これまでの上昇の反動など受けて、「運輸業,郵便業」や生活娯楽関連サービス等が低下したことなどから、サービス産業活動指数は、前月比マイナス1.7%と、3か月ぶりの低下となりましたが、均してみると、持ち直しの傾向は継続していると考えられます。
こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の3月の基調判断については、「持ち直し傾向にある」を据え置きます。
なお、先行きについては、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き緩和傾向であることなどから、対個人サービスの回復が期待されます。
今後は、物価上昇による取引量への影響などについては、引き続き注視してまいります。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202303.html
- マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html