- 4月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
- 業種ごとの動向
- 『対個人/対事業所サービス』の動向
- 『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
- 『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
- 4月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き
4月の第3次産業活動指数は、前月比上昇
4月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値101.0、前月比1.2%と2か月ぶりの上昇となりました。
これまでのサービス産業活動は、2022年12月は、製造業等の取引活動が不調であったことや新型コロナウイルス感染症の再拡大などを受けて低下していましたが、1月と2月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことなどから上昇していました。
その後、3月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたものの、これまでの上昇の反動などを受けて低下しました。
こうした中、4月は、企業間の取引活動が活発化したことなどを受けて、2か月ぶりに上昇しました。

業種ごとの動向
4月の業種別の動きをみると、11業種中、7業種が前月比上昇、4業種が同低下となりました。
4月は、企業間の取引活動が活発化したことなどを受けて、「運輸業,郵便業」等が上昇したことなどから、サービス産業全体として上昇しました。

「運輸業,郵便業」は、前月比13.4%と、2か月ぶりの上昇となりました。内訳業種では、道路貨物運送業などが上昇に寄与しています。4月は、企業間の取引活動が堅調であったことなどを受けて、上昇したものと考えられます。

『対個人/対事業所サービス』の動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。
4月の対個人サービスが、指数値101.8、前月比マイナス0.7%と低下する一方で、対事業所サービスが、指数値100.3、同2.5%と上昇したことから、サービス産業全体では、同1.2%と上昇しました。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。
4月は、非製造業依存型事業所向けサービスが、前月比0.0%となる一方で、製造業依存型事業所向けサービスが、同9.1%と上昇したことから、全体として上昇しました。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。
4月は、非選択的サービスが前月比マイナス0.3%、し好的サービスが同マイナス1.4%と、ともに低下したことなどから、全体として低下しました。

4月時点の基調判断は、「持ち直し傾向にある」を据え置き
4月は、企業間の取引が活発化したことなどを受けて、「運輸業,郵便業」等が上昇したことなどから、サービス産業活動指数は、前月比1.2%と、2か月ぶりの上昇となり、均してみると、持ち直しの傾向は継続していると考えられます。
こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の4月の基調判断については、「持ち直し傾向にある」を据え置きます。
なお、先行きについては、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き緩和傾向であることなどから、対個人サービスの回復が期待されます。
今後は、物価上昇による取引量への影響などについては、引き続き注視してまいります。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202304.html
- マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html