5月のサービス産業活動は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことなどを受けて、個人向けサービス活動を中心に正常化しつつあることなどから、前月比1.2%と、2か月連続の上昇。5月時点の基調判断は、「持ち直している」に引き上げ。

    5月の第3次産業活動指数は、前月比上昇

    5月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値102.0、前月比1.2%と2か月連続の上昇となりました。

    これまでのサービス産業活動は、2022年12月は、製造業等の取引活動が不調であったことや新型コロナウイルス感染症の再拡大などを受けて低下していましたが、1月と2月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことなどから上昇していました。

    その後、3月は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたものの、これまでの上昇の反動などを受けて低下しましたが、4月は、企業間の取引活動が活発化したことなどを受けて、上昇していました。

    こうした中、5月は、新型コロナウイルス感染症が、5月8日より、5類感染症に移行し、行動制限が無くなったことなどを受けて、個人向けサービス活動を中心に正常化しつつあることなどから、2か月連続で上昇しました。

    なお、サービス産業の活動水準としては、新型コロナウイルス感染症の拡大以降では最大であり、2019年9月以来の水準となっています。

    図表01

    業種ごとの動向

    5月の業種別の動きをみると、11業種中、6業種が前月比上昇、3業種が同低下、2業種が同横ばいとなりました。

    5月は、新型コロナウイルス感染症が、5月8日より、5類感染症に移行したことなどにより、行動制限が無くなり、外出機会が増加したことなどを受けて、「生活娯楽関連サービス」等が上昇したことなどから、サービス産業全体として上昇しました。

    図表02

    「生活娯楽関連サービス」は、前月比7.6%と、3か月ぶりの上昇となりました。内訳業種では、「飲食店,飲食サービス業」などが上昇に寄与しています。5月は、新型コロナウイルス感染症が、5月8日より、5類感染症に移行したことなどにより、行動制限が無くなり、外出機会が増加し、外出に伴う飲食需要が増加したことなどを受けて、上昇したものと考えられます。

    また、「医療,福祉」は、前月比5.4%と、3か月ぶりの上昇となりました。内訳業種では、「医療業」などが上昇に寄与しています。5月は、新型コロナウイルス感染症や他の感染症の増加などを受けて、上昇したものと考えられます。

    図表03

    『対個人/対事業所サービス』の動向

    サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。

    5月の対事業所サービスが、指数値100.3、前月比マイナス0.3%と低下する一方で、対個人サービスが、指数値101.5、同0.5%と上昇したことから、サービス産業全体では、同1.2%と上昇しました。対個人サービスは、新型コロナウイルス感染症が、5月8日より、5類感染症に移行したことなどにより、行動制限が無くなり、外出機会が増加したことなどを受けて、上昇したものと考えられます。

    図表04

    『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

    対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。

    5月は、非製造業依存型事業所向けサービスが、前月比1.1%となる一方で、製造業依存型事業所向けサービスが、同マイナス4.4%と低下したことから、全体として低下しました。

    図表05

    『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

    対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。

    5月は、非選択的サービスが前月比2.2%、し好的サービスが同0.1%と、ともに上昇したことなどから、全体として上昇しました。

    図表06

    5月時点の基調判断は、「持ち直している」に引き上げ

    5月は、新型コロナウイルス感染症が、5月8日より、5類感染症に移行し、行動制限が無くなったことなどを受けて、個人向けサービス活動を中心に正常化しつつあることなどから、サービス産業活動指数は、前月比1.2%と、2か月連続の上昇となり、均してみると、持ち直していると考えられます。サービス産業の活動水準としては、新型コロナウイルス感染症の拡大以降では最大であり、2019年9月以来の水準となっています。

    こうした状況を踏まえ、サービス産業活動指数の5月の基調判断については、「持ち直している」に引き上げます。

    なお、先行きについては、行動制限がなくなったことや、渡航者が回復傾向にあることなどから、引き続き、対個人サービスの回復が期待されます。

    今後は、物価上昇による取引量への影響などについては、注視してまいります。

    結果概要のページ
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
    参考図表集
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202305.html
    マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
    https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

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