8月のサービス産業活動は、「運輸業,郵便業」等が低下したことなどから、前月比マイナス0.1%と、2か月ぶりの低下。8月時点の基調判断は、「持ち直している」に据え置き。

    8月の第3次産業活動指数は、前月比低下

    8月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値101.8、前月比マイナス0.1%と2か月ぶりの低下となりました。

    これまでのサービス産業活動は、2023年4月と5月が、企業間の取引活動が活発化したことなどを受けて上昇していましたが、6月は、それまでの上昇の反動などを受けて低下していました。

    その後、7月は、「運輸業,郵便業」を始めとして多くの業種が上昇したことなどから、全体として上昇していました。

    こうした中、8月は、前月の上昇の反動などを受けて、「運輸業,郵便業」等が低下したことなどから、全体として低下しました。

    図表01

    業種ごとの動向

    8月の業種別の動きをみると、11業種中、5業種が前月比低下、5業種が同上昇、1業種が同横ばいとなりました。

    8月は、前月の上昇の反動などを受けて、「運輸業,郵便業」等の業種が低下したことなどから、サービス産業全体として低下しました。

    図表02

    「運輸業,郵便業」は、前月比マイナス4.9%と、3か月ぶりの低下となりました。内訳業種では、「道路貨物運送業」などが低下に寄与しています。「道路貨物運送業」は、前月の上昇の反動などを受けて、低下したものと考えられます。

    図表03

    『対個人/対事業所サービス』の動向

    サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができます。

    8月は、対個人サービスが、指数値101.5、前月比0.5%と上昇する一方で、対事業所サービスが、指数値102.1、同マイナス0.7%と低下したことなどから、全体として低下しました。

    図表04

    『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

    対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。

    8月は、非製造業依存型事業所向けサービスが前月比0.1%と上昇する一方で、製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス3.8%と低下したことなどから、全体として低下しました。

    図表05

    『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

    対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。

    8月は、し好的サービスが前月比0.3%と上昇する一方で、非選択的サービスが同マイナス0.3%と低下しました。

    図表06

    8月時点の基調判断は、「持ち直している」に据え置き

    8月のサービス産業活動指数は、前月の上昇の反動などを受けて、「運輸業,郵便業」等が低下したことなどから、全体として前月比マイナス0.1%と、2か月ぶりの低下となったものの、均してみると、持ち直しの状態が続いていると考えられます。

    このため、サービス産業活動指数の8月の基調判断については、「持ち直している」に据え置きます。

    なお、先行きについては、渡航者が回復傾向にあることなどから、引き続き、対個人サービスの回復が期待されます。

    今後は、物価上昇による取引量への影響などについて、注視してまいります。

    結果概要のページ
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
    参考図表集
    https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202308.html
    マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」
    https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

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