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９月の鉱工業生産は、生産用機械工業や無機・有機化学工業などが上昇したことから、全体として前月比２.２％と、３か月ぶりの上昇。基調判断は、「一進一退」に据え置き。

９月の生産は３か月ぶりの前月比上昇
全１５業種のうち１３業種が上昇
出荷は２か月連続の上昇
在庫は２か月ぶりの上昇
在庫率は４か月ぶりの低下
１０月と１１月の２か月を通じた生産計画
業種別にみた生産計画
９月の生産の基調判断は、「一進一退」に据え置き

９月の生産は３か月ぶりの前月比上昇

2025年９月の鉱工業生産は、季節調整済指数１０２.８、前月比２.２％と上昇となりました。

これまでの生産の動向については、2025年２月、３月と２か月連続の上昇の後、４月、５月と２か月連続の低下、６月は３か月ぶりに上昇しましたが、７月、８月と再び２か月連続で低下しました。こうした中、９月は生産用機械工業や無機・有機化学工業などが上昇したことから、全体として３か月ぶりの上昇となりました。

全１５業種のうち１３業種が上昇

９月の鉱工業生産を業種別にみると、全１５業種のうち１３業種が前月比上昇、２業種が同低下という結果でした。

生産用機械工業や無機・有機化学工業などが上昇したことから、全体として上昇しました。

上昇寄与度の最も大きかった生産用機械工業では、半導体製造装置、機械プレス等が主な上昇要因となっています。次に上昇寄与度が大きかった無機・有機化学工業では、ポリプロピレン、触媒（自動車排気ガス浄化用）等が主な上昇要因となっています。

一方、低下寄与度が最も大きかった輸送機械工業（除．自動車工業）では、航空機用発動機部品等が主な低下要因となっています。次に低下寄与度が大きかった鉄鋼・非鉄金属工業では、通信用ケーブル光ファイバ製品、電気金等が主な低下要因となっています。

出荷は２か月連続の上昇

９月の鉱工業出荷は、季節調整済指数１００.２、前月比０.７％と、２か月連続の上昇となりました。

業種別にみると、全１５業種のうち１１業種が前月比上昇、４業種が同低下という結果でした。

９月は、生産用機械工業や電気・情報通信機械工業などが上昇したことから、全体として上昇しました。

上昇寄与度の最も大きかった生産用機械工業では、半導体製造装置、フラットパネル・ディスプレイ製造装置等が、次に上昇寄与度が大きかった電気・情報通信機械工業では、リチウムイオン蓄電池、セパレート形エアコン等が主な上昇要因となっています。

一方、低下寄与度が最も大きかった輸送機械工業（除．自動車工業）では、航空機用発動機部品等が、次に低下寄与度が大きかった鉄鋼・非鉄金属工業では、普通鋼鋼帯、通信用ケーブル光ファイバ製品等が主な低下要因となっています。

在庫は２か月ぶりの上昇

９月の鉱工業在庫は、季節調整済指数９９.６、前月比０.５％と、２か月ぶりの上昇となりました。

業種別にみると、全１５業種のうち、７業種が前月比上昇、８業種が同低下となりました。

上昇寄与度の最も大きかった電子部品・デバイス工業では、混成IC、アクティブ型液晶パネル（大型）等が主な上昇要因となっています。一方、低下寄与度が最も大きかった鉄鋼・非鉄金属工業では、鋼半製品、通信用ケーブル光ファイバ製品等が主な低下要因となっています。

在庫率は４か月ぶりの低下

９月の鉱工業在庫率は、季節調整済指数１０６.５、前月比マイナス２.３％と、４か月ぶりの低下となりました。

在庫循環図をみると、2021年第３四半期までは、「在庫積み増し局面」にあり、同年第４四半期から2023年第２四半期までの期間は、「在庫積み上がり局面」に位置していましたが、2023年第３四半期には、「在庫調整局面」に達し、2024年第４四半期には、「在庫調整局面」を抜け出て「意図せざる在庫減局面」に入り、その後2025年第１四半期には「在庫積み増し局面」に入りましたが、2025年第２四半期には再び「意図せざる在庫減局面」に戻り、2025年第３四半期（速）においても「意図せざる在庫減局面」に位置しています。

これまで、一部の業種において、積極的に在庫の削減に取り組まれてきたと考えられ、その効果が顕在化されてきた可能性がありますが、今後の動向に注視していく必要があります。