- １０月の第３次産業活動指数は、前月比上昇
- 業種ごとの動向
- 『対個人／対事業所サービス』の動向
- 『製造業／非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
- 『非選択的／し好的個人向けサービス』の動向
- １０月時点の基調判断は、「一部に足踏みがみられるものの、持ち直しの動き」に据え置き
１０月の第３次産業活動指数は、前月比上昇
2025年１０月の第３次産業活動指数（サービス産業活動）は、指数値１０５.８、前月比０.９％と２か月連続の上昇となりました。
これまでの第３次産業活動指数は、2025年６月は低下、７月は上昇、８月は低下、９月は上昇と推移する中で、１０月は「不動産業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」が低下した一方、「情報通信業」、「金融業、保険業」などの業種が上昇したことから、全体として２か月連続の上昇となりました。
業種ごとの動向
１０月の業種別の動きをみると、１０業種中、７業種が前月比上昇、２業種が同低下、１業種が同横ばいとなりました。
１０月は「不動産業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」が低下した一方、「情報通信業」、「金融業、保険業」などの業種が上昇したことから、全体として上昇となりました。
「情報通信業」は、前月比２.１％と上昇しました。内訳業種では「情報サービス業」が上昇に寄与しました。また、「金融業、保険業」も、前月比２.１％と上昇しました。内訳業種では「金融商品取引業、商品先物取引業」、「銀行業・協同組織金融業」などが上昇に寄与しました。一方で、「不動産業」は、前月比マイナス１.５％と低下しました。内訳業種では「不動産取引業」が低下に寄与しました。また、「電気・ガス・熱供給・水道業」は前月比マイナス２.３％と低下しました。内訳業種では「電気業」などが低下に寄与しました。
『対個人／対事業所サービス』の動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス（以下対個人サービス）」と「広義対事業所サービス（以下対事業所サービス）」に分けることができます。
１０月は、対個人サービスが、指数値１０６.３、前月比マイナス０.４％と３か月ぶりの低下、対事業所サービスが、指数値１０５.３、同１.５％と３か月ぶりの上昇となりました。
『製造業／非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算しています。
１０月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比１.５％、非製造業依存型事業所向けサービスが同１.７％となり、ともに上昇しました。
『非選択的／し好的個人向けサービス』の動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算しています。
１０月は、非選択的サービスが前月比マイナス０.７％、し好的サービスが同マイナス０.３％となり、ともに低下しました。
１０月時点の基調判断は、「一部に足踏みがみられるものの、持ち直しの動き」に据え置き
１０月の第３次産業活動指数は、「不動産業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」が低下した一方、「情報通信業」、「金融業、保険業」などの業種が上昇したことから、全体として前月比０.９％と、２か月連続の上昇となりました。
また、第３次産業全体としては持ち直しの動きが見られる一方で、小売業など一部で足下の動きに足踏みがみられるなど、引き続き注視が必要です。
こうした状況も踏まえ、第３次産業活動指数の１０月の基調判断については、「一部に足踏みがみられるものの、持ち直しの動き」に据え置きます。
なお、今後は、物価上昇による取引量への影響などについて、注視してまいります。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-202510.html
- マンガ「就職にも使える！第３次産業活動指数」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html