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延長産業連関表

2-3.産業連関表からみた輸出入収支

 円安が急速に進む中で、直接的には輸入品を投入する産業部門に差損が、輸出する産業部門には差益が発生する。97年1月のレートで、今後1年間続いたとして計算すると、日本全体の損益収支は、ほぼ均衡する。
(1) 最近の円レートの変化
  • (ア)95年4月に1ドル83.76円(インターバンク相場、直物相場、期中平均)の高値
  • (イ)97年1月には118.02円、前年同月(96年1月105.84円)に比べ12.18円、率にして11.51%の円安である。
(2) 産業連関表からみた輸入差損と輸出差益の発生のメカニズムと分析の前提
  • (ア)円安に伴う差損・差益
     輸入側では、円安により輸入品投入コストの上昇を通じて、各産業部門に輸入差損が発生し、また輸入品価格の上昇に伴って最終需要部門(家計消費等)にも差損が発生する。
     他方、輸出側では、円安により輸出代金の受取額(円)が増加し、産業部門に差益が発生する。
  • (イ)分析は、97年1月の円レートの前年同月比を使い、その水準が1年間続くものとした場合の年間の結果で、為替変動のリスクヘッジを考慮せず、しかも価格面の影響に限り、数量的な変化は一切生じないものとして計測した。
(3) 輸入差損と輸出差益の収支はほぼ均衡
 1994年産業連関表」の輸入表を使って、97年1月時点の円レートの水準で計測すると、産業部門で▲1.76兆円(全体の7割)、国内最終需要部門で▲0.85兆円(全体の3割)、全体では▲2.60兆円の輸入差損が発生する。
 一方、輸出産業部門には、3.25兆円の輸出差益が発生し、この結果、輸入差損と輸出差益の収支は0.65兆円のプラスで、日本経済全体でみると、収支がほぼ均衡することがわかる。

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