>>経済産業省ホーム>>利用目的から調べる[統計]>>統計>>延長産業連関表>>集計結果又は推計結果>>統計表一覧>>1995年産業連関表(延長表)>>2-3.産業連関分析による1割の輸出増加が発生した場合の影響

延長産業連関表

2-3.産業連関分析による1割の輸出増加が発生した場合の影響

  1. 生産額は全産業で 1.0%の増加、うち「鉱工業」部門では 2.2%の増加、「非鉱工業」部門では 0.4%の増加。
  2. 地域別輸出についても、「鉱工業」部門でみると、北米、東アジア、アセアン、EUの順に生産額の増加率が高い。
  3. 付加価値は全産業で 0.8%の増加、うち「鉱工業」部門では 2.0%の増加。
  4. 輸入額も生産額の増加によって 0.8%の増加する。増加額が大きな品目は、「電子・通信機器」「非鉄金属」「石炭・原油・天然ガス」等である。
  5. 雇用者数も派生的に誘発し、全体で41万人の増加。うち「鉱工業」部門では24万人の増加、「非鉱工業」部門では17万人の増加となる。
  6. 輸出の増加は「鉱工業」部門のみならず、「非鉱工業」部門にもその影響が及んでいることがわかる。
(1) 最近の輸出の動向
 最近の輸出を通関統計でみると、97年1月〜9月分の累計で、前年同期比 14.5%増と好調に推移している。
(2) 輸出需要が1割増加した場合の生産に及ぼす影響
 「95年産業連関表」の輸出額(普通貿易)は 41.5兆円であり、これを前提にすべての商品が一率に1割増加したとすると、輸出額は 4.15兆円増加する。この輸出額の増加によって生産額は 8.96兆円増加し、増加率は、産業全体で 1.0%の増加、うち「鉱工業」部門全体では 2.2%の増加となる。
 「鉱工業」部門では、増加額は「自動車」「電子・通信機器」「一般機械」「鉄鋼」「化学製品」部門で大きい。
第6表 輸出需要の1割増加した場合の影響
部門 生産増加額
(10億円)
生産増加率
(%)
鉱工業部門 6,886 2.21
 自動車 1,459 3.96
 電子・通信機器 1,199 4.22
 一般機械 723 2.97
 鉄鋼 632 3.17
 化学製品 570 2.23
 その他 2,306 1.31
非鉱工業部門 2,074 0.36
 サービス業 1,876 0.41
産業全体 8,961 1.02
  • (注1)「95年産業連関表(47部門)」
  • (注2)生産増加率は、95年の部門別生産額に対する比率である。
(3) 地域別輸出でも各地域一律1割増加した場合についてみると、「鉱工業」部門でみると、北米向で0.73%、東アジア向けで 0.38%、アセアン向けで 0.38%、EU向けで 0.35%の生産増加となっており、北米向けが高いが、それ以外の3地域はほぼ同程度であることがわかる。
第7表 地域別輸出需要が1割増加した場合の影響
  生産増加額
(10億円)
  生産増加率
(%)
 
鉱工業部門 鉱工業部門
合計 8,961 6,886 1.02 2.21
 東アジア 1,571 1,190 0.18 0.38
 アセアン 1,528 1,172 0.17 0.38
 北米 2,923 2,263 0.33 0.73
   米国 2,526 1,948 0.29 0.63
 EU 1,429 1,094 0.16 0.35
 その他 1,511 1,167 0.17 0.37
  • (注1)95年の国内生産額は、882兆5427億円、鉱工業部門の生産額は、311兆5504億円である。
  • (注2)生産増加率は、95年の部門別生産額に対する比率である。
(4) GDPベースでみると、付加価値は産業全体で 0.8%の増加、うち「鉱工業」部門では 2.0%の増加となる。
(5) 輸入額も生産額の増加によって派生的に増加し、産業全体で 0.8%の増加。増加額が大きな品目は、「電子・通信機器」「非鉄金属」「石炭・原油・天然ガス」等である。
(6) また、生産の増加によって雇用者数も派生的に増加する。産業全体では41万人の増加。
 うち「鉱工業」部門では24万人の増加、「非鉱工業」部門でも17万人の増加となる。
(7) このように、輸出の増加(または減少)は、「鉱工業」部門の生産や雇用を誘発するだけではなく、「非鉱工業」部門の生産や雇用も誘発し、その1割の変化(増加または減少)の影響は、GDPを 0.8%変化させることがわかる。
第8表 輸入誘発額
  輸入増加額
(億円)
輸入増加率
(%)
鉱工業部門 3,126 0.96
 電子・通信機器 620 1.81
 非鉄金属 511 2.86
 石炭・原油・天然ガス 398 0.81
 化学製品 306 1.35
 鉄鋼 152 2.54
 石油・石炭製品 124 1.19
 その他 1,015 0.55
非鉱工業部門 429 0.41
 サービス業 240 0.35
産業全体 3,555 0.83
(注)輸入増加率は、95年の部門別輸入額に対する比率である。
第9表 雇用者誘発数
  雇用者増加数
(千人)
雇用者増加率
(%)
鉱工業部門 238 1.90
 電子・通信機器 37 4.22
 自動車 33 3.96
 一般機械 30 2.97
 その他電気機器 13 4.07
 鉄鋼 12 3.17
 化学製品 11 2.23
 金属製品 11 1.07
 繊維製品 11 0.96
 民生用電気機械 10 2.35
 その他 69 1.16
非鉱工業部門 169 0.37
 サービス業 163 0.43
産業全体 407 0.71
(注)雇用者増加率は、95年の部門別雇用者数に対する比率である。

前のページへ