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- 第27回海外事業活動基本調査結果概要-平成8(1996)年度実績-
- 4.我が国企業の海外事業活動が国内経済に与える影響
4.我が国企業の海外事業活動が国内経済に与える影響
海外事業活動基本調査
- (3)海外事業活動が我が国経済に与える影響
- a.製造業現地法人の海外事業活動が貿易収支や国内生産・雇用に与える影響を産業連関表を用いて推計。
- b.貿易収支に与える影響については、94年度にマイナスに移行し、95年度にはいったんプラスとなったものの、96年度ではマイナス幅が拡大したものと推定される。これは現地における調達先の分散化から輸出誘発効果の伸び以上に海外生産の拡大に伴う逆輸入効果・輸出代替効果が拡大したことによるものと推定される(図11)。
- c.また、貿易収支を通じて国内生産・国内雇用に与える影響についても93年度以降マイナス効果へ移行しており、96年度ではさらにマイナス効果が拡大したものと推定される(図12,図13)。業種別では輸送機械の影響が大きい。
- d.このように、海外事業活動が我が国に与える影響は、貿易収支を通じた試算ではマイナスとなるが、他面で新規高付加価値産業がこの減少分を相殺すれば適切な国際分業が図られ、経済全体は拡大しうることになる。かかる産業の転換が速やかに進まなければ空洞化につながる恐れもある。そのためには経済構造改革を進め、我が国の事業環境を魅力的にすることにより、国内の新規産業への投資、対内投資が増加する環境を作り上げることが求められる。
- f.また、直接投資収益額は、海外展開の活発化に伴い増加傾向にあるが(図14,図15)、投資収益が投資残高を占める割合は米国と比較すると未だ低い(図16)。今後は、我が国の高率な法人課税を是正するとともに、投資先国におけるロイヤリティーの上限規制・送金規制等の障壁を除去する必要がある。投資先国においても、これらのことにより今後直接投資額が増加し、技術移転につながるものと思われる。
最終更新日:2007.10.1