製造業現地法人の販売調達状況-平成11年5月18日公表-

海外事業活動基本調査


輸出拠点の役割を担うアジア

 各地域の総売上に占める「現地販売+域内販売」の比率をみると北米・ヨーロッパでは9割超となっており、消費地における生産がなされている。

 一方、アジアでは「現地販売+域内販売」が約3分の2にとどまり、日本への輸出が4分の1を占めている。(第3-(1)-1-1図)

製造業現地法人 販売先別売上高の状況(97年度)

製造業現地法人 販売先別売上高の状況(87年度)

 現地販売比率を10年前と比較すると、各地域とも比率を下げている。その反面、アジアと北米においては同一地域内販売率が大きく上昇している。

 域外販売については、アジアが日本への逆輸入を大幅に増加させている。金額は10年前の約7倍になっており、売上全体に占める逆輸入のシェアも10%近く上昇している。

 また、ヨーロッパにおいても日本への逆輸入比率を増加させている。その結果、10年前ではヨーロッパの域外輸出先の首位は北米であったが、現在では日本となっている。

増加する域内調達

 製造業現地法人の中間財の調達状況をみると、10年前と比べ、97年度には各地とも中間財の「域内調達率」が大きく上昇しており、周辺諸国との調達に関するネットワーク化が進んでいることを物語っている。(第3-(1)-2-1図)

製造業現地法人 調達先仕入高の状況(97年度)

製造業現地法人 調達先仕入高の状況(87年度)

 欧米アジア3極の地域間の調達活動については、北米・ヨーロッパにおけるアジアからの調達比率の上昇が著しい。逆にヨーロッパからの調達は僅かな額にとどまっている。

 日本からの調達に関しては10年前と比べ金額が約3倍に増加しているものの、北米・ヨーロッパ地域でその全調達額に占める比率は大きく減少しており、企業の調達活動が日本への依存から、域内及びアジアからを中心とした域外調達にシフトしつつあることがみてとれる。

最終更新日:2007.10.1