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- 第2章 中小企業の収益状況
- 2.中小企業の売上総利益率
商工業実態基本調査
2.中小企業の売上総利益率
中小企業の売上総利益率
(注)売上総利益率は、売上総利益(粗利益)を売上高で除したもので、売上高に対する利幅を示す。この比率は、企業の収益性を判断するための基本的な指標の一つである。この比率が高いほど収益性は高くなる。
製造企業
製造企業における売上総利益率は、中小企業が24.9%、大企業が21.0%となった。この結果、中小企業が大企業を上回り規模間格差は3.9ポイントとなった。
製造企業における中小企業の売上総利益率をみると、売上総利益率が高いのは、出版・印刷・同関連産業の34.0%、その他の製造業の31.4%、家具・装備品製造業の29.0%、衣服・その他の繊維製品製造業の28.0%、精密機械器具製造業の27.3%などとなった。他方、売上総利益率が低いのは、石油製品・石炭製品製造業の11.8%、非鉄金属製造業の15.9%、鉄鋼業の16.5%、輸送用機械器具製造業の18.4%などとなった。この結果、売上総利益率が最も高い出版・印刷・同関連産業と最も低い石油製品・石炭製品製造業との業種間格差は、22.2ポイントとなった。
次に、製造企業における売上総利益率の規模間格差をみると、中小企業が大企業を上回っているのは、繊維工業の12.9ポイント、木材・木製品製造業の8.7ポイント、金属製品製造業の7.9ポイントなどとなった。他方、中小企業が大企業を下回っている業種は、化学工業の▲9.8ポイント、飲料・たばこ・飼料製造業の▲5.6%、食料品製造業の▲3.4%などとなった。
卸売企業
卸売企業における売上総利益率は、中小企業が15.8%、大企業が9.5%となった。この結果、中小企業が大企業を上回り規模間格差は6.3ポイントとなった。平成4年調査と比べ中小企業は▲1.6ポイント、大企業は▲1.0ポイントそれぞれ低下し、大企業との規模間格差は▲0.6ポイント縮小した。
卸売企業における中小企業の売上総利益率をみると、売上総利益率が高いのは、繊維・衣服等卸売業の19.8%、機械器具卸売業の17.5%などとなった。他方、売上総利益率が低いのは、飲食料品卸売業の13.4%、各種商品卸売業の13.6%などとなった。この結果、売上総利益率が最も高い繊維・衣服等卸売業と最も低い飲食料品卸売業との業種間格差は、6.4ポイントとなった。
次に、卸売企業における売上総利益率の規模間格差をみると、中小企業が大企業を上回っているのは、各種商品卸売業の11.4ポイントが最も大きく、次いで建築材料、鉱物・金属材料等卸売業の7.9ポイント、飲食料品卸売業の2.3ポイントなどとなった。他方、中小企業が大企業を下回っているのは、繊維・衣服等卸売業の▲2.2ポイントのみとなった。
小売企業
小売企業における売上総利益率は、中小企業が29.1%、大企業が26.4%となった。この結果、中小企業が大企業を上回り規模間格差は2.7ポイントとなった。平成4年調査に比べ中小企業は▲0.3ポイント、大企業は▲2.2ポイントそれぞれ低下し、大企業との規模間格差は1.9ポイント拡大した。
小売企業における中小企業の売上総利益率をみると、売上総利益率が高いのは、織物・衣服・身の回り品小売業の36.0%、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業の30.9%、その他の小売業の30.8%などとなった。他方、売上総利益率が低いのは、各種商品小売業の24.4%、飲食料品小売業の26.2%、自動車・自転車小売業の26.3%となった。この結果、売上総利益率が最も高い織物・衣服・身の回り品小売業と最も低い各種商品小売業との業種間格差は11.6ポイントとなった。
次に、小売企業における売上総利益率の規模間格差をみると、中小企業が大企業を上回っているのは、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業の7.7ポイント、自動車・自転車小売業の5.7ポイントなどとなった。他方、中小企業が大企業を下回っているのは、各種商品小売業の▲1.3ポイント、飲食料品小売業の▲0.9ポイントとなった。