経済産業省
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商工業実態基本調査

2.中小企業の固定資産比率


 (注) ここでいう固定資産比率とは、有形固定資産を自己資本で除して、自己資本に対する有形固定資産の百分比として測定している。この比率は100%以内とされている。この比率が100%を超える場合は、超過部分は他人資本(長期借入金や社債などの固定負債)で賄われていることを意味する。なお、固定資産比率がマイナスなのは、自己資本がマイナスとなっているためである。

 設備投資に投じられた資金は長期間にわたり固定されるから、原則的には返済期限のある他人資本(有利子負債)より自己資本で賄うことが財務的に安全である。ここでは、設備に投じられた資本がどの程度自己資本で賄われているかを見てみよう。また、中小企業における固定資産比率の分布についても見てみよう。

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 製造企業における固定資産比率は、中小企業が148.7%、大企業が75.3%となった。この結果、中小企業が大企業を大きく上回り規模間格差は73.4ポイントとなった。バランスシート上からみると、中小企業では設備資金の3割強を金融機関などからの借入(有利子負債)によって賄っているのに対し、大企業では自己資本で賄っていることを示している。

 製造企業における中小企業の固定資産比率を業種別にみると、パルプ・紙・紙加工品製造業の201.4%が最も高く、次いで窯業・土石製品製造業の194.3%、鉄鋼業の193.4%、木材・木製品製造業の187.4%が高い。他方、固定資産比率が低いのは、化学工業の101.7%、精密機械器具製造業の118.2%、その他の製造業の124.5%、飲料・たばこ・飼料製造業の125.6%、一般機械器具製造業の128.5%となった。この結果、固定資産比率が最も高いパルプ・紙・紙加工品製造業と最も低い化学工業との業種間格差は99.7ポイントとなった。

 次に、製造企業における固定資産比率の規模間格差をみると、中小企業が大企業を下回っているのは、石油製品・石炭製品製造業の▲100.8ポイントのみで他はすべての業種で上回っている。中でも、輸送用機械器具製造業の103.4ポイント、家具・装備品製造業の102.7ポイント、窯業・土石製品製造業の96.6ポイントが大きく上回っている。

製造企業における固定資産比率(法人企業)

 次に、製造企業における固定資産比率の分布を見てみよう。次の図は、中小企業及び大企業の企業数をそれぞれ100とした構成比(百分比)で表したものである。これによると、中小企業においては、固定資産比率が0%以下の企業が16.7%、0~100%の企業が35.5%、100%以上の企業が47.8%となった。他方、大企業では、0%以下の企業が3.7%、0~100%の企業が50.0%、100%以上の企業が46.3%となった。

 なお、分布の形状をみると、中小企業では比率0~50%の20.3%の企業をピークに0~150%までに半数の企業が集中している。他方、大企業では、比率50~100%の28.6%の企業をピークに0~100%までに半数の企業が集中している。

製造企業における固定資産比率の分布(法人企業)

(注)固定資産比率が0%以下とは、バランスシート上の自己資本がマイナスとなっている企業が存在するためである。

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 卸売企業における固定資産比率は、中小企業が119.5%、大企業が64.7%となった。この結果、中小企業が大企業を大きく上回り規模間格差は54.8ポイントとなった。バランスシート上からみると、中小企業では商業設備資金の2割を金融機関などからの借入(有利子負債)により賄っているのに対し、大企業では自己資本で賄っていることを示している。

 卸売企業における中小企業の固定資産比率を業種別にみると、飲食料品卸売業の142.7%が最も高く、次いで建築材料、鉱物・金属材料等卸売業の131.4%となった。このため、固定資産比率が最も低い機械器具卸売業の99.5%との業種間格差は、43.2ポイントとなった。

 卸売企業における固定資産比率の規模間格差をみると、すべての業種で中小企業が大企業を上回っており、中でも各種商品卸売業の64.2ポイントが最も大きく、次いで機械器具卸売業の57.7ポイント、飲食料品卸売業の54.5ポイントとなった。

卸売企業における固定資産比率(法人企業)

 次に、卸売企業における固定資産比率の分布を見てみよう。次の図は、中小企業及び大企業の企業数をそれぞれ100とした構成比(百分比)で表したものである。これによると、中小企業においては、固定資産比率が0%以下の企業が14.0%、0~100%の企業が49.6%、100%以上の企業が36.4%となった。他方、大企業では、0%以下の企業が5.2%、0~100%の企業が50.8%、100%以上の企業が44.0%となった。

 なお、分布の形状をみると、中小企業では比率0~50%の33.2%の企業をピークに0~100%までに半数の企業が集中している。他方、大企業では、比率0~50%の28.6%の企業をピークに0~100%までに半数の企業が集中している。

卸売企業における固定資産比率の分布(法人企業)

(注)固定資産比率が0%以下とは、バランスシート上の自己資本がマイナスとなっている企業が存在するためである。

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 小売企業における固定資産比率は、中小企業が206.7%、大企業が146.7%となった。この結果、中小企業が大企業を大きく上回り規模間格差は60.0ポイントとなった。バランスシート上からみると、中小企業では商業設備資金の5割、大企業では3割を金融機関からの借入(有利子負債)により賄っていることを示している。

 小売企業における中小企業の固定資産比率を業種別にみると、飲食料品小売業の267.9%が最も高く、次いで自動車・自転車小売業の232.7%、織物・衣服・身の回り品小売業の217.3%となった。他方、固定資産比率が最も低いのは、各種商品小売業の165.6%となった。この結果、固定資産比率が最も高い飲食料品小売業と最も低い各種商品小売業との業種間格差は102.3ポイントとなった。

 小売企業における固定資産比率の規模間格差をみると、中小企業が大企業を下回っている(大企業より財務の安定性が高い)のは、自動車・自転車小売業の▲65.2ポイントのみで、他はすべての業種で中小企業が大企業を上回っている。中でも、飲食料品小売業の108.8ポイントと織物・衣服・身の回り品小売業の107.8ポイントが大きい。

小売企業における固定資産比率(法人企業)

 次に、小売企業における固定資産比率の分布を見てみよう。次の図は、中小企業及び大企業の企業数をそれぞれ100とした構成比(百分比)で表したものである。これによると、中小企業においては、固定資産比率が0%以下の企業が17.2%、0~100%の企業が37.4%、100%以上の企業が45.4%となった。他方、大企業では、0%以下の企業が11.4%、0~100%の企業が28.3%、100%以上の企業が60.3%となった。

 なお、分布の形状をみると、中小企業では比率0~50%の25.0%の企業をピークに0~150%までに半数の企業が集中している。他方、大企業では、比率0~50%の15.6%の企業をピークに0~200%までに半数の企業が集中している。

小売企業における固定資産比率の分布(法人企業)

(注)固定資産比率が0%以下とは、バランスシート上の自己資本がマイナスとなっている企業が存在するためである。

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最終更新日:2007.10.1
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